はじめに

この記事はConoHa Advent Calenderとして書かれたものである。

Qiitaのみなさん、ConoHa愛好家のみなさん、はじめまして。 コンニチハ、ハルカデス。

Qiitaをよく見ている人ならこのブログをご覧頂いたこともあるかもしれない。 技術的な記事を期待しているかもしれないが、今回はカテゴリからしてもおわかりの通り、ビジネス的なお話である。

ConoHaについて

ConoHaはGMOグループが提供しているVPSサービスである。 以前はVPSではなくレンタルサーバーを名乗っていたような気がするが、最近はVPSだと言っている。

「三雲このは」というマスコットキャラクターで有名なサービスになる。

そのためにサービス自体については軽視されがちなのだが、サービスも特徴的である。

ホスティングサービス, VPS

まず、かなり難しい区分なのだが、web基準で考えると次のような段階がある。

  • 用意されているアプリを使うだけ
  • 用意されているスペースにファイルが配置できる
  • サーバーを操作できる
  • サーバーを構築できる

アプリを使うだけ、というのはブログやECなどの特定の機能を持ったアプリケーションによるサイト公開が可能になっているものだ。 主立ってはamebloやSeeSaaなど、ConoHaと同じGMOグループではGMOペパボのJUGEMや、GMOメディアのYaplogなどがある。

さらに、GMOペパボには「ホームページ作成サービス」系のGoopeもある。 Qiitaもこの形態のひとつであるといえる。

用意されているスペースにファイルが配置できるのは、かつてのGeocitiesが有名で、 これを有料のサービスで行うというのはかつてはひとつの頂点であったとも言える。 最近は減ったがかつては多彩なサービスがあった。 GMOペパボのLolipopはその中でも有名にして定番のものだろう。私も以前は使用していた。また、同社はHetemlという上位サービスも用意している。 GMOインターネットもドメインサービスのお名前.comの一環として提供していたりする。

残る2者はいわゆるroot権限がとれるタイプのものだ。 前者はサーバーの再インストールや、サーバーのOS選択などは基本的にできない。後者はサーバーのインストールや追加なども可能なものだ。

VPS

VPSという語に明確な定義というか、区別はないようだ。 VPSという語が登場した当初のことを考えると、基本的に「rootがとれる従量課金のサーバー」という意味合いであったように思われる。 実際、VPSと名乗るもので、従来のホスティングサービスとの違いが「従量制課金である」ということ以外にあまり明瞭なものがなかったのである。

VPSで当初よりAmazon AWSは非常に強力なサービスであったが、 通信料など外部的要因によって変動する事象によって従量課金となるため、軽い気持ちでサーバーを立てた人が月に数十万円の請求をされる事案も少なくなかった。

そのために、金銭的にかなり余裕があるのでない限りVPSは選択肢にはならなかったのが実情だ。

ConoHaは当初その中間のような存在だったと言える。 VPSのようにいくつものサーバーを立てることができるが、料金はサーバー台数*プランというシンプルなもので、過大な請求がかかることなく安心して使用することができた。

現在のConoHa

当初と比べConoHaは幾分VPSらしくなった。 例えば計算資源からは独立したストレージ容量や、時間従量制などだ。

時間従量制というのは、携帯電話料金のような上限つき従量制と近いものだが、 例えば512MBプランは月額630円で、1時間あたり1.0円。24時間*31日だと744円であるため、それよりも安く収まることになる。

普通は従来型ホスティングサービスが月額制なのだから、現代では珍しい純粋なユーザーメリットによる料金体系である。

このために一時的な用途やテストサーバーなどを含め気軽かつ柔軟にサーバーを用意できることがConoHaの大きな特長である。

ライバル

このようなサービスはあまり類をみないように思うが、最大のライバルはやはりさくらインターネットによる「さくらのVPS」だろう。

このサービスも月額制で複数インスタンスが利用可能だ。 人気はこちらのほうが高く、周囲にも利用者が多い。

クーポンをイベントで配布していた、という点でも類似である。 ただし、ConoHaはクーポン配布はやめてしまったようだ。

お客様のサーバーにConoHaを

私が代表を務めるMimir Yokohamaでは、サーバーを使用するサービスを提供する際には指定がない限りConoHaを使用している。

これは、私がConoHaからコミュニティ支援を受けているという事情もあるが、 別にこれは他サービスの利用を制約するものではない。 ConoHaを使用しているのは、それによってエンジニアとお客様が幸せになるためだ。

サーバーを伴うサービスの展開戦略

自社で使用している巨大なインスタンスにすべて格納する「共有サーバー」スタイルを採用している事業者も多いだろう。

実際のところ、Mimir Yokohamaのお客様のご要望は、サーバー一台用意するのはコスト的に見合わないタイプ(アクセスの少ないウェブサイトなど)と、 共有させるのは難しいタイプ(XMPPサーバーを立てたり、アプリケーションサーバー必要とするケース)が混在している。

ひとつの仮想ホストですべてを賄おうとするのは、管理面を考えてもあまりうれしいことはない。 パフォーマンス低下によってお客様にもストレスをかけてしまうかもしれないし、 セキュリティ的に分離したいケースがあることも普通に考えられるのだ。

つまり、多少アップグレードしてでも複数の環境をホスティングする共有タイプのサーバーを提供してコストを抑えるべきケースと、 性能は控えめでもサーバーを専有すべきケースがある。

これをroot権限があるタイプのレンタルサーバーで行うのは、費用がかさむ上に管理も大変だ。 以前そのようなサービスを提供していたこともあるが(Mimir Yokohamaができるより前の話だ)、正直労力に見合わないものであった。

ConoHaならば仕様の異なる複数のインスタンスを立てることができる。 事業の拡大とともにインスタンスをどんどん増やしていっても構わないのだ。

2GBプランであれば共有webサーバーにも十分耐える。 上手に構成すれば1GBプランでも十分だ。 (分散できるのであれば1GBプランのホストを2つ用意するほうが負荷は厳しくない)

負荷の少ない環境で専有サーバーが必要なケースは512MBプランのインスタンスを使うといいだろう。

性能面

私は個人サイトはDTIのサーバーで運営しているのだが(このブログはまた違う)、速度的にはConoHaにとてもかなわない。 最大の理由は「すべてSSDで提供している」というストレージバックボーンだろう。 Mimir YokohamaのWebプランは可能な限り静的ページとして提供する構造をしている。 そのため、ほとんどストレージ性能と帯域で速度が決まる。「高速なウェブページ」を売りにする以上、インフラが遅いことによる限界というのは悲しいものがある。

もちろん、湯水のようにお金を使えば大幅なパフォーマンスアップも可能なのだが、 「リソースが足りてさえいればコストを抑えても性能が確保できる」というのは非常に嬉しいポイントだ。 仕方なくサーバーを使われるお客様というのは、なるべくなら費用は抑えたいとしつつも、性能はストレスのないものだと信じているものだ。 あまり性能が劣っているとお客様が悲しまれてしまう。

ConoHaは最小の512MBプランを、ちゃんと「多くのリソースは使わない」というだけの理由で選ぶことができるのだ。

以前はConoHaよりもさくらのVPSのほうが安かったのだが、現在は最小プランではほぼ同等の内容でConoHaのほうが少し安い。 1GBプランはConoHaのほうが安いにもかかわらず、SSDの容量はConoHaのほうが大きい。 Mimir Yokohamaは一般のお客様が中心であるため、これらのプランが中心となる。

この「費用の小さいプランでも満足度が高い」ということは、サービスを提供する際の価格設定を抑えられるということにもなる。 サーバー側の金額が安いとあまり大きな利益を載せにくいという面はあるが、安い価格から提供可能なサービスは競争力を向上させるだろう。

イメージ保存機能

サーバーを「凍結したい」という場合や、「移行したい」「サーバーは廃止するがデータは損失したくない」というケースは意外と多い。 サービスを開始する際にサービスを終了することを考えたくない気持ちはわかるのだが、 良いサービスのためには「お客様が気持ちよく完了できること」は不可欠な要素なのだ。

イメージ保存機能はこうしたケースにおいて極めて便利だ。 イメージ保存機能の存在によってお客様に柔軟な終了戦略を提示することができる。

API

ConoHaにはAPIがある。 これはさくらのVPSに対するアドバンテージでもある。

APIを使用することでサーバーの管理を容易にすることができる。

多くのサーバーを展開する場合において手作業の量を減らせば価格設定も抑えることができ、 それは事業の強みとしても活かせるはずだ。

しかも、APIはシンプルなJSONであるため、書くのも簡単。 このような機能をスマートに活用することは、優れたサービスとして欠かせない作法であろう。

カスタムISOからのインストール

重要なのはISOイメージによるインストールが可能なことだ。

Mondo RescueによってシステムバックアップのISOイメージ化か可能であるため、ローカルな仮想環境で練った(アップデートも済ませた)サーバーイメージをテンプレートとして使用することで、スタートアップの時間と労力を減らすことができる。

これは納期を急がれるお客様のご要望にお応えできることに加えて、 コストの大幅な削減にもつながる。

無駄な手間をかけることで価格を釣り上げるような戦略はとるべきではない。 お客様が本当に必要とされているもののためにより多くの労力をかけるべきなのだ。

これは、VPSでなければ難しい(場合によってはVPSですらも難しい)Arch Linuxによるサーバーによって 少ないリソースでもパフォーマンスを発揮するという点でも活用されている。

海外リージョン

今は日本でも海外の顧客を相手にする企業は大変多い。

B2Bサービスを提供する場合、お客様は海外向けにサービスを提供される場合は多いのだ。 実のところ海外とのトランジットが割と少ない日本のサーバーというのは、海外から見るとあまりうれしくない。 どこかの果てにある得体のしれないサーバーであり、実際に応答が遅い。 これは我々が日本からベルギーやデンマークあたりのサーバーにアクセスすれば体験できる事象だ。

私もお客様が海外と商売をされているケースというのは「意外なほど多い」という印象を受けている。 このようなケースにおいてはやはりサーバーも日本ではなく適切な場所に配置したいところだ。

ConoHaにはアメリカとシンガポールという、「適切な場所」としやすい2箇所が用意されている。

このおかげでよりお客様にとってかゆいところに手が届くサービスを展開しやすくなっている。

提灯記事?いやいや…

なんといってもこの記事はConoHaのAdvent Calenderのために書いたものだし、 私がコミュニティ支援を受けているということもあり、PR記事疑惑は拭えないところだろう。

だが、そんなことはない。 なんといっても、特にこの記事作成にあたってConoHaから見返りを得ていないのだ!!!!! (もちろん、見返りをいただけるのなら大歓迎である!!!!!)

実際にMimir Yokohamaのサービスというのは、「ConoHaがある」ということが先にあった。 つまり、Mimir Yokohamaにラインナップされているサーバーを利用するタイプのサービスは、 いずれも私が「ConoHaがあるからこんなこともできる」という発想によって設定したものであり、 ConoHaがなければこれらのサービスは存在しなかった可能性が高い。 実際、ConoHaとの関係がなかった初期にはサーバーを使うサービスというものは非常に限定的であった。

もちろん、ConoHaがなくてさくらのVPSがあるという状況であれば、 いずれそのようなサービスを考えてさくらのVPSを使って展開していた可能性は高いが、 ConoHaを使うことによってお客様にメリットを提供しつつ、 それを事業の強みとして活用することができているのだ。

それどころか、一時期「ConoHaを活用できる」ということは、事業の価値において非常に大きな割合を占めていた。 そのようなVPSの利用があまり一般的でなく、圧倒的に低価格に、かつ柔軟にサービスを構成することが可能だったからだ。

Mimir Yokohamaはお客様の笑顔のために、ConoHaを利用しています。

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