Manjaro CalamaresインストーラでLUKSパスフレーズに意味がない問題

Manjaro LinuxのCalamaresインストーラでLUKSを利用したインストールを行うと、Grub起動時にパスフレーズを聞かれるが、パスフレーズに何を入力したかにかかわらず(時間はかかるが)起動される。

これは明らかなエラーであり、既にMLにて報告してある。 ディスクは正しいパスフレーズによるLUKSによって保護されており、不自然な振る舞いだ。

Dynabookで既存パーティションを縮小して(Windowsとのデュアルブートで)インストールしたところ、異なる挙動となった。

誤ったパスフレーズを入力すると、しばらく待たされたあと、Grub Rescueに落ちる。

Thusでインストールした場合、Plymouth上でパスフレーズをきかれ、誤ったパスフレーズを入力すると再入力を促される。

これが適切な振る舞いなのかどうかだが、Calamaresの場合、Grubパーティション(/boot)が暗号化されているかどうかの問題がある。 /bootがなく/に含むような構成であるならば、Grubがパスフレーズをきく以外にない。

つまり、この暗号化システムが機能するかどうかは、/bootが切られているかどうかに依存するのではないか。

一見解決したかのように見えるが、そうではない。 /bootがきられていればGrubは起動できるが、システムはLUKSで保護されているので、いずれにせよパスフレーズなしには起動できないはずなのだが、暗号化されたシステムにパスフレーズなしで入れてしまうというのは理解に苦しむ。

ラップトップとキーボード

extra timeに実用的な記事を書く意味があるのかものすごく疑問だけれど、 少しでも世界にのこすことがでればと思う。

ラップトップのキーボードは昔は割とかちっとしたものが多かったように思う。 アイソレーションキーボードではなく、そこそこストロークがあってタクタイル感強め、ぱしぱし打つ感じのキーボードだ。 特にThinkPadはかちっとした感触が強くて、Let’s NoteとVAIOはふにゃふにゃという印象があった。 実際に今Pentium M/Core2世代くらいのラップトップをうってみるとThinkPadよりものほうがしっかりしたキーボードなんだけれども。

このあと(Core2も末期くらいからか?)アイソレーションキーボードが増えて、いわゆるぺたぺたキーボードになった。 なんでこうなったのかがよくわからない。理由として考えられることといえば、

  • 軽いキーボードが好まれるようになった
  • ラップトップ自体を薄くするためにキーハイトを落としたかった
  • 静音性を求めた
  • Macが採用した

別にペタペタキーボードにしたからといって静かにはならない気がするけれど、アイソレーションキーボードが普及しはじめた頃、静音であることをうりにしていた記憶がある。

アイソレーションキーボードをはやらせたのがなんなのかあまり確信はないけれど、比較的早い段階でそれをアピールしていたのがSonyとhpだったと記憶している。 特にVAIOのペタペタキーボードはかなりひどかった記憶がある。

Macがいつからペタペタキーボードを採用したのかがわからないけれど、MacBook自体がかなり後発の製品だし、早い段階から投入していたとしても不思議はない。 Appleが採用しているから流行る…というのは大いに考えられる。

ただ、どれもこれもペタペタキーボードを採用したけれど、これが打ちやすいとはとうてい思えない。 とにかく打っている感覚がなくて、速度をあげていくと誤打率が非常に高く、そのくせ割としっかり打たないと認識されないので文字抜けも結構発生するし、打鍵テストを十分にやったのかものすごく疑問なキーボードが多くて耐久性がなかった。

今これをCore i5-2520M搭載の(Windows 7 32bit世代)Dynabookで打っているのだけれど、もう絶望的に打ちにくい。 キーをそーっと押し込む分には「ことっことっ」として割といい感じかと思うのだが、もうだいたいキーは死んでいて、認識しづらかったりするし、キーを打った感触がなさすぎるのでかなり強く叩かないといけない。 このペタペタキーボード、決して入力荷重は高くないのに、ひくい位置から打鍵するとまともに入らない上に誤打るから結構指を上げてしっかり叩かないといけなくて、すごく打ちにくいし疲れる。

なぜかこういうキーボードか流行って、特にネットブックが流行った時はもう絶望的に打ちづらかったと記憶している。 でもそれはまだWindows XP主流で、Windows Vistaが出回りはじめた頃から出てきていたはずだから、相当長い間そういうキーボードが流通していたことになる。

私のThinkPad e440は2014年モデルだけれど、e440は2015年モデルが存在する。 実際に打鍵して比べたけれど、割とどれもペタペタで、ただしちょっとこりっとした感触があるものが増えていた。 e440のキーボードはタクタイル感が非常に乏しい一方でストロークがある程度あるので結構打ちやすくて、ラップトップとしてはだいぶよかった。 それでもひどいキーボードだとは思うのだけれど、外で現行執筆をしているとそこまで遅いわけではないから、案外打ちやすいのだと思う。 もっとも、外で執筆しているときは集中できていて全体的に早いというのもあるけれど。

2015年からかなり大きくラップトップのキーボードは変わったように感じている。 2014年にe440を選ぶときに感じたのが、キーボードはうちやすいように、ストロークを若干ふやし、タクタイル感を出す方向にシフトしているということだけれど、台湾メーカー(ASUSやAcer)は相変わらずのぺったぺたで、Macも非常に打ちにくい。 キーボードの印象が悪いのが他にhpとDELLで、特にDELLのキーボードはアメリカメーカーとしてはえらい打ちにくいという印象があった。

2015年にhp Pavilion x2-10を買っている。 これはデタッチャブルタイプの2in1で、キーボードはキーボードでしかない方式、SURFACEみたいな感じのラップトップだ。 10.1インチなのでキーピッチも十分でなく、まぁ当然に快適とは言い難いのだけれども、それでもできるだけサイズも確保されていて、ペタタペタではあるけれどもちゃんと打った感触があって打ちやすい。 寒かったりして手の感覚が落ちる状況ではつらかったりはするけれど、集中を削ぐほど打ちにくいわけではない。少なくともこのDynabookよりははるかに打ちやすい。 原稿執筆でpavilionを持っていてもそれなりに捗るので、十分実用に耐えるし、この頃からキーボードが軽視されがちなモデルにおいてもある程度快適なうち心地が確保されるようになったと思う。

それと同期してなのか、2014年の時点では、市販キーボードで安いものというのはまだ4mmストロークでキーハイトもあるメンブレンキーボードが普通だったように思う。 ラップトップのようなパンタグラフキーボードもあるにはあったけれど、1000円くらいしたのでそこまで安くはなかったし、基本的にローハイトキーボードはパンタグラフキーボードだった。 ところが、2015年にはメンブレンキーボードが軒並みローハイトになった。 実はhpやDELLの付属キーボードは割と前からローハイト・ショートストロークキーボードなのだけれど、それにならったようなローハイト・ショートストロークのメンブレンキーボードが一般化した。 2017年現在、むしろ4mmストロークのメンブレンキーボードを探すほうが難しい。とりあえず、ビックカメラやヨドバシカメラにはほとんどおいていない。 CHERRY MX赤軸が出てきたのもこの時期だし、タクタイル感が軽視され、軽いキーボードが好まれる傾向がかなり強く出てきたのだと思う。

こうしたことに関して、デスクトップPCが衰退しラップトップが一般化したからキーストロークが短くキータッチの軽いキーボードが好まれるようになった、と解説しているサイトが散見されるけれど、実際はこれは半分間違っていると思う。 デスクトップよりもラップトップが一般化したのは2008年のことで、もうこの頃にはデスクトップといってもディスプレイ一体型ばかりだったし、普通の人は基本的にラップトップを使っていた。 赤軸登場はこの時期(2008年)だから、軽いキーボードが好まれる傾向が生まれてはいたのだろう。

ラップトップがペタペタキーボードを採用する以前のことを考えると、あまりパンタグラフキーボードをわざわざ好んで使うというひとはいなかったように思う。 ただし、ThinkPadのキーボードは人気があって、ThinkPadキーボードを独立させたもの(トラックポイントがついている)は売られていた。 これはペタペタキーボードが一般化してからも別にパンタグラフキーボードが増えたわけでもなく、ただタブレットとかの普及に伴って携行性の高い小型のパンタグラフキーボードの販売が増えたというのはあるけれど。 でも、わざわざペタペタキーボードを買いたいという人は少なかったと思う。 私はゲーム用にアイソレーションキーボードがほしかった時期があって(ゲームパッドのボタンの感覚に近いので、ゲームによっては結構使いやすい)、アイソレーションキーボードの単体販売を求めてなかなか手に入らなかった記憶がある。

あまりにも一般化したのでそのうちアイソレーションキーボードの単体というのも増えてはいったのだけれど、それでもそれが従来型の4mmメンブレンキーボードを駆逐するような動きはなかった。 この頃はラップトップユーザーながらキーボードは別に使うという人がそこそこいて、だいたいはそれまでデスクトップで慣れたユーザーがペタペタキーボードになれずに入力効率を求めるために従来型のキーボードを使っていたという面が大きいのだけれど、そういう理由もあってこの頃は普通に売られていた、使われていたキーボードは4mmストロークメンブレンキーボードだった。 そして、この時期に外付けキーボードを使っているラップトップユーザーはペタペタキーボード以前の時代と比べるとちょっと多かった。 ラップトップが普及して、本来デスクトップユーザーであるはずの人がラップトップを使うケースが増えたという理由もあるだろうから、必ずしもラップトップのキーボード変化に理由を求められないけれど。

それでもそれは不便なので多くの人はラップトップのキーボードになれる努力をしたのだけれど、結果的にメーカーはものすごく打ちにくいペタペタキーボードをよしとし続けてきたわけだ。 ユーザー側で従来型のパンタグラフキーボードとペタペタキーボードのどちらがよいかという積極的な評価をしてきてはいないと思う。

そして、それが誤りと気づくのにたっぷり5年はかかった、と。

現在ラップトップに使われているキーボードタイプはおおよそ次の通り

  • 普通のアイソレーションキーボード(Fujitsu, TOSHIBA, VAIO, hpほか)
  • ハイトのあるキーボード(ThinkPad)
  • フラットキートップの非アイソレーションキーボード(Panasonic)

つまり、ThinkPadとLet’s Noteがちょっと変わったキーボードを採用しているのだ。 ちなみに、LenovoでもIdeaPadなどThinkPad以外はアイソレーションキーボードを使っている。

アイソレーションキーボードも変化している。 全体的にはストロークがある程度増加している。以前は1.0-1.2mmくらいが多かったものが、現在は大きいものだと2mm近いストロークで増やされているのだ。 ストロークが上がっただけでなく、タクタイルポイントが少し下げられた傾向もあるように感じる。 つまり押した時にわずかに沈んで入力するかどうかを指先で判断するチャンスが与えられるようになった。 タイピングに関しては思考よりも指先のほうが正確という研究結果もあるようなので、このわずかなストロークによる判断の余地がうまれたのは誤打率低減にかなり大きな効果を発揮している。

荷重を上げたメーカーもある。つまりよりカチッとスイッチ感を出したということだ。 ただし、以前はストロークの短さを荷重の高さでごまかしてきた面が大きかったけれど、現在はむしろストロークとストローク特性によってタイピングできるようにしているものが増えていて、スイッチ感を出すことでなんとかしようとするのはよくないという認識が広がっているのかもしれない。 スイッチ感の強いキーボードを採用するのはDynabookだけれど、Dynabookのキーボードは相変わらず大変打ちにくい。以前よりははるかに改善しているのだけれど、やたら硬い入力と判断の余地の少なさから大変に打ちにくい。特に手に角度がついていない、高めのテーブルで入力するような状況だと非常に手が疲れる。

全体の傾向としてはストロークを増やしてストロークで打てるようにするというもので、タクタイル感はおとしていても結果的にはちゃんと打っている感触が出ている。 結果的にはすごく打ちやすくなったし、アイソレーションキーボードでも不満が出ることはすごく少なくなった。

ただし、アイソレーションキーボードのモデルに関してもうち心地にはかなりの差がある。 うち心地が良いのはやはりFujitsuだと思う。 また、hpに関しては平凡だが、モデルによってかなり印象に差があり、Spectre13のキーボードは非常に打ち心地が良い。360はあまりうち心地がよくないのでモデルによる差が大きい。 逆にTOSHIBA, DELL, Acer, ASUSのキーボードはうち心地がよくない。

Panasnicはずっと旧来型のキーボードを採用してきたが、最近キートップに高さのないものに変更した。タクタイル感のほぼないタイプで、ストロークもあまりない。

従来型であったために打ちやすく、長くキーボードに優位性があったLet’s Noteだが、ちょっと前のペタペタキーボードに近い感触でよくない。 ただし、キートップのくぼみに指が正確にかかりやすいため、誤打率はペースをあげなければそれほど高くない。 だが、指のかかりがそこまで良いわけではないことや、キートップの高さの差があまりないことからスピードを上げると誤打の不安が強く、高速打鍵は難しい。 慎重に打っていけばストレスは少ないが打ちやすいキーボードというわけではない。

ThinkPadのキーボードは秀逸だ。 キー間の隙間の小さいアイソレーションキーボードだが、他のように板状のキートップではなく台形キートップを採用する。キートップの高さは割とあるほうだが、その分指にフィットする形状に調整されている。 割と高さのあるキーボードだが、その分ストロークは他のラップトップよりも深めだ。強めのタクタイル感を伴うもので、押し始めの小さなストロークでキーを判断し、タクタイルを押し込んでストロークで打つことができる。 タクタイル後のストロークは、指の機能的な反発を活かすためと、アクチュエータの反発を活かすために重要になる。 私が試す限り、めいいっぱい高速打鍵をしても不安なく誤打もない。高速打鍵時の速度自体はそこまで高いわけではないが、思考速度も考えると250spmは難しくないキーボードは出先での原稿執筆などでストレスなく、効率よく仕事をすることができるだろう。 ThinkPadのキーボードはキーボード全体で考えても秀逸なものになっている。 現行のThinkPadはいずれも同じキーボードにみえるが、それぞれ感触が違う。同じサイズのT460sとX1だが、比べようとしても違いがわからないにもかかわらず、打っているとT460のほうがタクタイル感が少なく、ぐにゃっとしている。そのため、X1が圧倒的に打ちやすい。E570はよりぐにゃっているし、X260はストロークが短く軽い。

これまで様々なキーボードを使ってきた。 各種メンブレン、パンタグラフ、アイソレーションパンタグラフ、ALPS黒軸、Cherry MX青軸、緑軸、リニア灰軸、Switch Master青軸、OUTEMU青軸、Unicompバックリングスプリング、Libertouchメンブレンなどなど。 もちろん、試しているということではHHKBやRealForceも使ったことがある。

その上で思うことだが、「確実な打鍵感」や「4mmのストローク」はそれほど必要ないのかもしれない。 タクタイル感が必要か不要かというのは別問題なのだが、底付きする前提であるならば必要ないと考えることもできる。 EDGE 201キーボードはショートストロークだし、最近のキーボードはショートストロークが多いが、ショートストロークキーボードが「打ちにくい」と感じる場面はあまりない。 ペタペタキーボードにおいてストローク不足によるうちににくさを感じることはあるが、「4mmないから打ちにくい」とは基本的に感じない。特にリニアメカニカルスイッチやバックリングスプリングキーボードでの高速打鍵のためには4mm押し切らないように打つ必要があり、そのための工夫をしているので、「4mm押し込める」必要性はほとんど感じない。

リニアメカニカルキーボードを使っていてうちににくさを感じないわけではないけれど、それでもストロークで「打っている」感覚は得ることができる。 タクタイルフィールがスイッチタクタイルより明らかに打ちにくいというわけでもないので、「がちがちと打ってる感触が必要」とも思わない。

つまりこれまで追い求めてきた「うちやすさ」だが、「そんなにストロークはいらないし」「そんなにタクタイル感もいらない」、つまりもっとほどほどでいい、という結論にたどり着いてキーボードは次のステージに進んだ、と考えることもできる。

どのようなキーボードを好ましく感じるかというのは好みの問題も大きいが、必ずしも最新ラップトップのキーボードは妥協の産物というわけではないように思う。

メカニカルキーボードは少し違うスタイルのものが出てきているがその他の高性能キーボードは従来の方式を踏襲している。 だが、今後キーボードが真剣に性能、うちやすさを追求して開発されていくとすれば、キーボードのスタイルも変わっていくのかもしれない。 ローハイトキートップに2mmストロークのLibertouchなんて、とても関心がある。