Linuxデスクトップ環境の比較

Linuxデスクトップ(Unix系デスクトップ環境)の使い心地というのは使いこんでみないとコメントもできないものなのだが、なかなかその特性を理解するまでそれぞれを使い込むのも難しい。 特にまだLinux歴の浅い方はどれを選んで良いのかわからないこともあるだろう。

そこで現行のデスクトップ環境からメジャーなものについて、私が感じる良い点、悪い点をまとめてみた。 あくまで私の視点なので、異なる意見もあるだろうが、そこはあくまで1ユーザーの意見とご了承願いたい。

また、MATE, Deepin’, Pntheon, Budgie, Lumina, LXDE, LXQtなどの他のデスクトップ環境、あるいはEnlihgtenment, fvwm, i3, awesomeなどの他のウィンドウマネージャがあることは承知しているが、私が普段使っていないのでコメントするレベルにはないことも、併せてご了承願いたい。

GNOME

良い点

  • Waylandに最も良好なフィーリングを見せる
  • スクリーンショットツールがとても使いやすい (ただし設定はgsettingsコマンド)
  • ウィンドウボーダーのデザインが豊富で、良いものが多い
  • ランチャーがコマンド実行になっており、検索前提のアクティビティ機能と相性がいい
  • Gnome Keyringは様々なキーをいい感じに管理してくれて使いやすい

悪い点

  • 設定の大部分が隠されており、テーマ設定などの基本的な設定もできない。また、壁紙もコマンドを打たない限り$XDG_PICTURES_DIR直下の画像ファイルに固定されている
  • ウィンドウタイリングが左右にしかできない
  • ウィンドウフィッティングが弱く、表には設定もない
  • Nautilusで右クリックにおけるアクションメニューが簡単に設定できるようになっていない
  • Alt+マウスドラッグによるウィンドウ操作ができない
  • メニューが非常にわかりづらく、メニューが少なすぎて必要な機能を満たさない
  • 「1画面しかなくて、1画面に1アプリしか表示しない」が基本なので、ウィンドウはクローズボタンしかない
  • アクティビティ機能はプログラムをカテゴリ分けしてくれないので、探すのが非常に辛い
  • ウィンドウスイッチャがなく、常にアクティビティから切り替えるかタスクスイッチャから切り替えることを求められる。カレントウィンドウのメニューは表示されるが、マルチディスプレイの場合はプライマリディスプレイ以外無視される 
  • 設定がホームディレクトリ以下になく、バックアップしづらい

捕捉

私はGNOMEが好きではないので、すごく否定的な意見であると考えてもらっていい。 「Linuxなら出来て当たり前だったことをわざわざできなくしている」ことに私は好感を持てない。

Gnomeアプリケーションにはいくらか魅力的なものもあるけれど、デスクトップコンピュータ、とくにマルチヘッドディスプレイや、大画面で使うのに適したものだとはとても思えない。

Gnomeはパソコンよりもタッチデバイスを優先しているのだと感じるし、パソコンもせいぜいが今風なラップトップのみを想定しているといったところだろう。 そして、様々な機能を要求に応じて使いこなす努力するユーザーではなく、機能を使う気がなく、機能を与えてほしくないルーザーのみに親切、という印象である。

ただ、それは解消不能な一部の問題(例えばウィンドウタイリングやAltマウスイベント)を除けばgconfなどによって解消することができ、 およそ「Windowsでレジストリをいじる」のと同じレベルで操作することにより、ユーザーによっては満足できるものに仕上げることもできるだろう。

Cinnamon

良い点

  • 非常に使いやすいウィンドウタイリング。 Super+カーソルで「現在の状態を基準にカーソル方向へタイルする」という挙動。また、タイルした状態でリサイズもできる
  • ウィンドウタイリングしたあとウィンドウを移動すると元のサイズに戻すようになっている。これは、タイル状態でリサイズした場合も同様で、タイルにウィンドウサイズのステートが影響されない
  • 軽い。 ハードウェアアクセラレーションが効くためXFceと比べても格段に軽い
  • ウィンドウフィッティングが設定可能で、かなり使いやすい。タイルしたウィンドウに対してもフィットするため大量のウィンドウを並べるのも楽
  • Alt+左ドラッグ(move), Alt+中クリック(windows menu), Alt+右ドラッグ(resize)全てに対応している
  • 設定項目はやや少ないが、必要なポイントは抑えていて「ほどよい曖昧さ」になっている。設定が大変ではなく、かつ必要な設定はできる傾向がかなり強い
  • Gnomeのメリットだったスクリーンショットと鍵管理はGnomeと同じものを使用しており、同じメリットが得られる
  • Nemoアクションがiniファイルになっていて、結構書きやすい (ただ、現在ちょっとバグってもいる)
  • ウィンドウラベルのマウススクロールに対して細かな設定が効く。アルファ設定も可能
  • Nemoが単独で動作し、軽いファイルマネージャでありながら、gvfsによるマウントにも対応していて使いやすい
  • Alt+F1でワークスペース選択になるのが便利。数字キーで選択できる
  • マルチヘッドディスプレイでフルスクリーンにしているとき、パネルは「パネルがある画面上でフォーカスされているのが他のウィンドウであるときのみ表示する」という理想的な振舞い。フォーカスウィンドウはフルスクリーンウィンドウより前にくる
  • 選べるデスクトップアニメーション
  • 純粋なコマンドラインのランチャと、検索可能なメニューの組み合わせ
  • 左右へのパネル配置に比較的強い
  • 合理的な「フォントはDPIではなく倍率で設定させる」
  • DPのプラグアンドプレイ問題で「復帰できない変更をされる問題」が比較的少ない
  • ボリュームアプレットがマイクのミュートコントロール、デバイス選択、プレイヤーコントロールまでできる便利設計
  • フォント設定機能がフォント数が増えても軽く、使いやすい
  • ファイルダイアログが未選択状態でキータイプを始めると直接パス入力できる仕様
  • Conkyの表示が一番安定している
  • ウィンドウスイッチャからQで直接ウィンドウクローズが可能

悪い点

  • 通知を1件ずつ表示するため、大量の通知がある場合いつまでクリックしても終わらなくなる
  • 通知の有効期限をスクリーン上ではなく通知エリア上の時間として扱う。これは、恐らく正しくない
  • 壁紙がウィンドウごとではなく共通である。設定が楽、ディスプレイ認識でおかしなことにならないというメリットはあるが、残念には感じられる
  • ウィンドウデコレータがMetacityベースでデザインがあまりよくない
  • アプレット機能があるものの、動作しないものが多く、ほとんど役に立たない
  • 起動がやや遅い

捕捉

基本的に「すごくいいバランスで、うまい具合に作られている」のがCinnamon。 機能豊富というわけではないのだが、GNOMEやKDE Plasmaのように主張をぶつけてくる感じではなく、「どうあるのが自然か」「どうなっていれば使いやすいか」ということに向き合って作られている感じがする。 (ただ、Cinnamonはissue reportに対して割と対応は冷たいのだが)

ほとんどの場合要求を満たすことができ、完全ではないが不満というほどではないという状態を作るのがうまい。 至らないところもあるが、使い勝手なら最高だと思う。私は何に移ってもCinnamonに戻ってきてしまう。

ややいまいちだったウィンドウスイッチャは、Windows7以降と同様のアイコンスタイルのものが導入されて使いやすくなった。 グループに対してはホバー時だけでなくクリック時にウィンドウリストを表示する機能もあるが、これはまだbuggyである。 垂直表示を有効にしていると、ウィンドウグループを縦に表示し、さらにそのウィンドウから派生したウィンドウは水平に表示するという器用さを見せる。 懸案だった「.desktopファイルに書かれている情報を使ってくれない」という問題も解消してくれている。

ClutterとNemoの出来の良さが圧倒的で、総じて非常に使いやすい。派手な機能はないが極めて実用的だ。 Cinnamonの欠点を探してみたのだが、これといってあまり見つからなかった。以前はいくつかあったのだが。それが戻ってきてしまう理由かもしれない。

KDE Plasma

良い点

  • 非常に充実したアプリケーション群でクオリティも高い
  • 非常に充実した設定項目。特に電源管理が優れている
  • KIM Panelが格段に使いやすく、Fcitxのウィンドウも統合されていて入力が快適
  • Alt+マウスドラッグによる操作をカスタマイズできる
  • デザインが良い
  • KDEパネルは機能が多彩で、ウィジットも強力
  • 0.1倍単位のUIスケーリング。Gtkアプリケーションにも対応する
  • 検索のみではあるもののランチャもメニューも強力な検索で使いやすい
  • KDE Walletはウェブブラウザのパスワードを一括して管理してくれるので安心感がある
  • 設定ファイルが素直にホームディレクトリ以下にあるためバックアップしやすい
  • Qtの利点を活かした非常にスムーズなスクロール
  • ディスプレイ接続時のアクションが良好で、プレゼンなどでプロジェクターを使うときにも使いやすい
  • ディスプレイを「重ねて配置」できる
  • ウィンドウフィッティングが非常に素晴らしく、ピタッとウィンドウを並べることができる
  • フォントレンダリングに手が入っているのか、ちょっと綺麗
  • 通知の扱い方が適切で使いやすい

悪い点

  • やや不安定
  • サイズの異なるディスプレイを並べると、ディスプレイ位置がおかしくなったり、パネルを失ったり、壁紙を失ったりする
  • ディスプレイの再接続時に本来のディスプレイ設定に復帰しない
  • よくアイコン位置がおかしくなる
  • プラズマにログインしてからログアウトし、再度プラズマにログインするとスケーリングがおかしくなる
  • Balooを有効にしているとキャッシュファイルなども画像に含められてしまい困る上に、inotifyの上限に到達してもさらにファイルを追加するためシステムが終わる
  • AkonadiやKDE PIMは便利ではあるけど、「いらないことをする」感じも強い
  • KDE WalletがGnome Keyringのように暗黙にSSHエージェントのように振る舞わない
  • 設定が独特で、XDG標準を遵守しないし、XDGディレクトリもあまり尊重しない
  • Dolphinはアクションを追加するのも面倒で、XDGディレクトリを無視し、ブックマーク機能はない
  • ウィンドウタイリング後にウィンドウを移動すると、ステートはタイルされていないことになるが、元のサイズには戻らない
  • 壁紙の設定が面倒。フォルダの追加は知識が必要で、全部まとめられるので

捕捉

理想は高く、理想に届かないKDE Plasma。 KDE Applicationsに満足するか否かが分かれ目になる。

ウィンドウフィッティングはCinnamon以上に良好で、ウィンドウを並べるのは得意。 ただし8方向タイリングはショートカットキーの設定が必要になる。 一応、マウスでエッジに持っていくとタイリングしてくれるのだが、位置が割と狭くてやりづらい。

大きな欠点だった「等幅フォントにデュアルスペースフォントが設定できない」は、spacing >= 90にするのではなく、spacingを無視するオプションを加えて対応している。

うまく噛み合っていれば使いやすいのだが、噛み合わないことが多いKDE Plasma。 状況がハマれば使いやすいため、私はラップトップではKDE Plasmaを使用している。

なお、KWalletでブラウザの鍵を管理すると、ブラウザはこれまで管理していた鍵を捨ててしまう。 逆にブラウザに管理させるとKWalletで使えなくなる。だから他のデスクトップと行ったりきたりするのには最大の障壁になる。

systray問題として深刻だったsniについても、現在はおよそ問題のない状態になっているようだ。

特にスケーリングの自由度は大きなメリットと言っていいだろう。 電源管理の柔軟さと併せて最新のラップトップには適しているように感じる。

KDE4時代の癖のあった特徴的な機能は下げられている。そのため、積極的にKDE Plasma workspaceを使う理由を損ねたという印象もある。

相変わらずbuggyな部分も残念だ。Balooは非常に振る舞いに問題があり、オフにしておくのが無難だろう。

XFce4

良い点

  • Alt+左ドラッグとAlt+右ドラッグに対応
  • パネルウィジットのアプリケーションメニューが独自メニューを設定できるため、引き出しとして使用できる
  • 「ランチャー」ウィジットは副項目を設定でき、やっぱり引き出しとして使用できる
  • XFce4 Terminalの使い勝手が良い
  • やたら積極的で便利な「透明度」設定。透明ウィンドウ好きにはたまらない
  • ThunarがSFTPに対応している
  • ディスプレイの「ブランクスクリーン化」と「電源off」が分けられていて、DPプラグアンドプレイに悩まされている場合は便利
  • 自動起動にそれとわかるように他のデスクトップ環境のものが選択できるようになっており、Gnome Keyring SSH Agentを使うということもできる
  • 8方向タイル可能。ただしタイルのショートカットキーは全く設定されていない
  • デスクトップ右クリックでデスクトップコンテキスト(アプリケーションメニューつき)、中クリックでウィンドウリストと結構便利
  • アプリケーションファインダーがコマンド実行で候補検索を含み、展開すると(Alt+F3でこの状態でスタート)メニュー検索もできるようになった
  • Whiskerは簡単にリサイズできる
  • Mugshotが実は結構便利
  • デスクトップにウィンドウリストを表示することもできる
  • ウィンドウスイッチャがグリッド状に表示されるため選びやすい
  • パネルの設定が器用で、高さを含めるかどうか、ホバー時で透明度を変えるか、隠すかなど設定可能。「Dock風」と「タスクバー風」を使い分けられる仕様
  • 壁紙の設定がモニターごとである上、「設定ダイアログをモニター上に動かせばそのモニターが設定できる」親切設計

悪い点

  • アイコンラベルのサイズは固定で、アイコンの間隔も固定。ちょっと長い名前のフォルダは簡単に隠されてしまうし、隠されないように設定すると
  • Bluemanが初回起動時だけXDGディレクトリを拾うため、XDGディレクトリを変更すると毎回エラーを出す
  • ウィンドウフィッティングは一応存在し、リサイズ時にも効くのだが、非常に弱い。設定もできない
  • 通知がいくつでも出してしまう上に、閉じても表示した位置に表示しっぱなしで大量に出されるととても困る
  • ウィンドウタイリング後にウィンドウを移動すると、ステートはタイルされていないことになるが、元のサイズには戻らない
  • パネルがデスクトップの大きさとして除外されない(xfwm4は除外できる)ので、デスクトップアイコンやConkyがかぶる
  • ファイル選択ダイアログがGnomeと同じものになったため、ファイルをパスで一気に入力することができなくなった
  • アプリケーションファインダーがフォーカスロックしないため、複数起動してしまうこともでき、さらにフォーカスを失うことがあるため「あれっ」となって複数起動してゴミが残ることが多々ある
  • フルスクリーンにしているとき、フォーカスしているアプリ以外はパネルがウィンドウより前にきてしまう (マルチヘッドディスプレイでのみ発生する)
  • 標準のボリュームアプレットがない (外部プログラムとしてはPulseAudioアプレットがある)

補足

XFce4になったときからずっと「ちょっとずれてる」「いい感じなのに、対応したにもかかわらず痒いところに手が届かない」を続けているXFce。

だが、Gtk3化の過程で大胆にチェンジした。 アイコンラベルとか、アプリケーションファインダーのフォーカスとか、微妙に「XFceだなぁ」と思うところは残っているものの、機能的には遜色ないどころか、他の環境を凌駕するところまで到達している。

Manjaroでは18.2からついにXFce4 Gtk3がメインになった。 使い物にならなかった時期が長かっただけに、ようやくという感じだ。 だが、

  • thunar-archive-plugin
  • thunar-volman

についてはGtk2を引き続き標準としている。 thunar-volman-gtk3はextraとcommunityそれぞれにバージョン違いがあるちょっと困った状態だ。

ウィンドウデコレータがMetacity相当になり、Cinnamonと同じものを使えるようになった。 今までちょっと偏りがあって使いにくいものが多かったので、非常によくなったし、デフォルトのものが結構スタイリッシュにもなった。

基本的な方向性はCinnamonやMATEに近い進化だと思う。 使い勝手が劇的に向上し、他のデスクトップと比べ見劣りするという印象を払拭した。 Gtk3になったため「軽い」という特徴は損なわれたが、最近はアプリケーションのほうが重く、Gtk2を採用するアプリケーションも少ないため、正直デスクトップの重さというのはそもそも感じにくい。 むしろ処理が速くなって快適になったくらいだ。

(Manjaro Linux) KDE PlasmaでXFce4通知が使われる

先日のAdaptaのアップデートからManjaro XFce4からインストールした環境で使用しているKDE Plasma上で通知が黒背景黒文字になるという問題が発生していた。

KDE Plasmaの通知を設定しても全く改善されないためどうしたものかと非常に困っていたのだが、 よく見てみるとKDE Plasmaの通知ではなく、XFce4 Notifyになっていた。

そこでxfce4-notifydを止めたいと考えたのだが…

xfce4-notifydはsystemdユーザーユニットとして存在していて、/usr/lib以下にコマンド本体がある。 だからsystemctl --user stop xfce4-notifydで一応止まるように見える。 (場合によってはkillする必要がある)

ところが、ここでnotify-sendするとふたたび起き上がってきてしまう。

これを止めるジェントルな方法を模索したのだが、見つからなかったので、仕方なく/usr/share/dbus-1/services/org.xfce.xfce4-notifyd.Notifications.serviceを削除(というか外へ移動)した。 これは恐らく意図以上の影響を及ぼすだろうが、とりあえず当面の問題は解消できた。

Git/Mercurialを使いデスクトップとラップトップで作業する

GitやMercurialでの分散作業というのは、高度なユーザーやギークばかりでなく、多くの人にとってメリットのある手法だ。 デスクトップを母艦としてラップトップを使う人にとっては確実に意味のあることだろう。

基本的な話

まずいまいちど基本的な手法を確認しよう。 まず、基本となるリポジトリを作る。

Gitの場合

$ cd ~/Repositories/Myrepo.git
$ git init --bare
$ cd ~/Work
$ git clone ~/Repositories/Myrepo.git

Mercurialの場合yvarn

この違いは、Gitがワーキングツリーを持つリポジトリに対する同期を非推奨としていることによる。 そのため、同期するためにはベアリポジトリを作り、その上でワーキングリポジトリとしてcloneする必要があるのだ。

Mercurialの場合は特にそのような必要はなく、ワーキングツリーを持つリポジトリをcloneすれば分散作業できる。

ここでは話を楽にするためにMercurialを使おう。

デスクトップコンピュータのdragon.localホストの~/Work/Wyvarnリポジトリを作ったとする。 この作業を外で続けたくなったので、ラップトップ(knight.local)でこのリポジトリをcloneする。

$ cd ~/Work
$ hg clone ssh://jrh@dragon.local/Work/Wyvarn

Mercurialのsshアクセスはパス部が相対パスで始まっているものとみなすので注意してほしい。絶対パスで指定するためにはパス部を/ではじめる必要がある。

過酷な作業を終え、充実の成果をあげた。では家に帰ってその成果を反映しよう。

$ cd ~/Work/Wyvarn
$ hg push

続きはデスクトップで。デスクトップでリポジトリのアップデートを反映する。

$ cd ~/Work/Wyvarn
$ hg update

変更に強い構成にする

だが、実のところこのようなシステムではファイルの配置が変わったり、ファイル名が変わったり、ホスト名が変わったりするのはよくあることだ。 そのたびにすべてのリポジトリを修正するのはかなりの手間がかかる。

これにはふたつの抽象化レイヤーの導入が有効だ。

まずは、ホスト名を、そのホストに依存したものではなく、専用の固定名を与える。 ホストが少ないのであれば/etc/hostsファイルで良いだろう。

192.168.2.100          repo

多いのであれば、dnsmasqを使うと良い。

続いてリポジトリへのパスを抽象化しよう。 これは、次のようにするといい。

# mount --bind ~jrh/Repositories /mnt/repo

その上で

/home/jrh/Work/Wyvarn -> /home/jrh/Repositories/Wyvarn

のような状態にしておけばいいだろう(実体の位置を間違えないように)。

そして、ラップトップでは

$ hg clone ssh://jrh@repo//mnt/repo/Wyvarn

のようにすればいい。

Linuxデスクトップが使えないというのなら、知識を授けるのは私の使命だから

齋藤貴義さんのブログが誤謬満載だったので、突っ込んでみる。

e-Taxが使えない

そんなことはない。 実際私e-Tax使っているし。

Blu-Rayの再生が難しい

日本における法的な意味ではやや難しいが、実用的な意味ではそれほど難しくない。 日本の法的にも再生自体を禁じるものはない。 普通にlibblurayで再生もできる。

すごく単純に言えば、lubbluerayを用意しておけばmplayerで再生できる。

地上波デジタルの視聴が難しい

まぁ、それはそうなんだけれども、パソコン上でテレビを見なければならない必然性と、そもそもテレビの必要性からいってそんなに重大なことなんだろうか。 ましてLinuxerにとって。

ハイバネート設定が難しい

難しいのはディスクを暗号化した場合と、swapを切らなかった場合だ。 そうでなければインストーラがよきにはからってくれる可能性は高い。

ただし、うまく復帰できないケースはあまり少なくない。 このようなケースにおいて設定によって改善できる場合もその設定を行うのはかなり難しい。

省電力設定が難しい

メーカー製PCの場合、プリセットが充実していたりするので、多分それのことをいっているのだろう。 そんなものはないが、別に対して難しくもない。せいぜい細かに設定できる程度の話だ。

最も細かく設定できるのは恐らくKDE Plasmaだが、それでも項目自体はThinkVantageによるものと大差ない。 プロファイル切り替えに関してはアクティビティを使うのが楽。

輝度設定キーが動かない

輝度設定用のキーはXF86XK_MonBrightnessUp及びXF86XK_MonBrightnessDownとして定義されている。 XFキーが動かないというのはどういう状況なのかわからない。モダンなデスクトップを使え。

タッチパネルをオフにできない

タッチパネルをオフにする必要があるのか?タッチパッドのことか?

タッチパッドの制御に関しては、Linux版のSynapticsドライバーのほうがWindows版のものよりも細かに制御できる。 タッチパッドをオフにするためのオプションはSynapticsのみならばlibinputにすら存在する。 まだ現時点ではlibinputという選択肢はハードなので、Synapticsは単純に無効にするには

synclient TouchpadOff=1

でいい。

プリンタやスキャナの設定が難しい

最近はFoomaticも充実してきたし、特に困ることはなくなった。 以前はプロプライエタリドライバでないと動作しなかったMP630も最近はFoomaticに含まれている。 現在はPhotosmart-6620seriesでFoomatic+hplipできちんと動作している。

細かな制御、が何を意味しているかわからないが、縁無し印刷や両面印刷もできているし、ミリ単位の修正も一応できる。 インク残量もちゃんと見える。

ただし、ドキュメントスキャナに関しては、紙のサイズの自動判別ができないため、Windowsでやったほうがいい。

スマホとの同期が難しい

同期というのが何をさしているのかわからないが、特になにかができないと感じたことはない。 というか、adbを簡単に叩けるのだから簡単ではないか。それともiPhoneなのか。

デスクトップ環境のUIがイマイチなのが多い

好みの問題だと思うけれど、じゃあWindows 10のあの腐ったUIが良いのか?

私はCinnamonを使っているが、非常に快適である。何の問題もない。 KDE Plasmaは流儀が少々Windowsとは異なるが、十分なパワーがあり、使いこなすことができれば極めて快適だ。

NTFSやHFS+の書き込みに設定が要る

何を言っているのかわからない。

NTFSに関しては、普通はntfs-3gで読み書きするだろうし、設定なんか全く必要ない。 それどころか、NTFSに対する操作のためにLive Linuxを使うことすらある。

ただし、設定はいらないにしても、NTFSの操作にはやや問題はある。ファイルシステムのエラーを発生することが多いのだ。

HFS+が使えないということも聞いたことがない。

サウンドやカメラの詳細設定が難しい

最近はほとんどのサウンドカードやWebカメラが動くけど

それは嘘だ。動かないものは動かない状況は変わっていない。

だが、動くものに関しては設定というのが何をさしているのかわからないが、別に難しくもなんともない。 PulseAudioであればWindowsではとても考えられないような複雑な操作も可能だ。

もちろん、DTM用のオーディオインターフェイスのような設定は難しいが、常識的な範囲での(Windowsの一般的なユーティリティレベルでの)設定はより細かに、容易にできる。 イコライザなんかの話をしたいのかもしれないが、PulseAudio Equalizerというものがあるよ、と教えてあげよう。

Bluetoothデバイスの一部でペアリング出来ないものがある

これは経験がない。Bluetoothアダプタ自体が動作しなかったことならある。

ブラウザで閲覧できないサイトがある

UserAgentをホワイトリストで許可しているサイトの場合、推奨ブラウザでアクセスしても閲覧できない場合がある。UserAgentを書き換えてアクセスし直す必要がある。

これはLinuxの問題ではなく、サービス提供者の性悪さによる問題だし、それくらい対応しろよと思う。

IMEで良いものが少ない

Atokの大分昔のものは動くけど、基本はMozcなどで頑張るしか無い。拡張辞書必須。

現在のAtokが他と比べて快適なのか、ということ自体に疑問があるけれども、Mozcに何の不満があるのだろう。

Mozc Neologd UTまたはMozc UT2の場合、辞書の収録数はGoogle日本語入力よりも上であったはずだ。 なんならウェブ変換エンジンを利用することも可能なので、別に変換精度自体は劣るということはない。 まぁ、実際のところ語彙の問題ではなく、Google日本語入力には劣る面もあるのだが、取り立てていうほどのことはない。

最近はMS-IMEが大変に快適な変換をしてくれるように大変身したので、その意味では辛いものがあるかもしれないが。

なお、そもそもMozcはIMEではなくて、かな漢字変換ソフトウェアである。 IMEというのは、FcitxやiBusなんかのことだ。

KindleアプリのLinux版が無い

そんなことを言ったらMac版もない。

それでWINEで動かすことにどれほどの支障があるのかというのは疑問。 WINEが嫌いか?敗北感でも感じるのか?

Evernote公式アプリのLinux版が無い

公式に説明がある

つまり、公式アプリでないことをEvernote側で受け入れており、そもそも公式クライアントであることに意義はない、ということだ。

LINEアプリのLinux版が無い

wineで動かすしかない。

そもそも4.8, 4.9に関してはwineで動作させることができなかった。

Linux上でLINEを動かす方法としては、Chromeアプリ版(先があまりないが)と、libpurpleによる非公式版がある。

いずれも通話できないといった意味で完全ではないが、最低限動作はするはずだ。

画像編集ソフトが限られる

GIMPで大体のことはできるけど、PhotoshopやSketchのようなソフトは使えない

Windows向けの特定ソフトウェアが使えないことを嘆くのは不毛極まりない。

RAW現像手段も限られる。

yaourtでrawと検索すると309件、「raw image」でも43件ヒットした。

SteamがUbuntu版しか提供されていない

Manjaro Linuxではデフォルトインストールであり、PCLinuxOS及びMageiaでも導入可能。

SlackアプリがFedoraかUbuntu版しか提供されていない

AURにある。

Gitクライアントで良いものが無い

Windows版Gitクライアントは基本的にgit guiと同等のものではないか。 これが快適だとはどんなにがんばっても思えないが。

他にもまぁまぁあるが、Zshより快適なGit環境はそもそもないと思う。

入力デバイスの操作がイマイチ

全く意味がわからない。 入力デバイスの操作はハードウェア的なものでLinux関係ないと思うが。

マウス系のホイール操作はエミュレート精度が

解釈可能な日本語でお願いしたい。

ちなみに、Qt環境では驚くほど滑らかなスクロールが可能で、 さらにタッチパッドの場合はLinux版Synapticsのサーキュラースクローリングの快適さはWindowsになくて苦痛になるものの代表格だと思っている。

それともボタン3クリックの話をしているのだろうか? それであるならばArch wikiに多くの情報がある。

Cinnamon 3.0.1, Linux 4.6 RC4

Cinnamon 3

Manjaro Update 2016-04-26でCinnamonが3.0.1になっていた。リリースでは触れられていないけれど…

これで結構変わっていたので、ポイントを挙げておくと

  • ダイアログ表示がフェードイン/フェードアウトアニメーション追加
  • 警告音がぽこぽこに変更された
  • テーマ設定でコントロールがかなりの部分使えなくなった
  • Dropboxが0秒起動だとsystrayに入らなくなった
  • Mail.ruは自動起動でsystrayに入るようになった

ダイアログがフェードインするようになったのは非常にかっこいいが、Fcitxのサジェスト/プレエディットもフェードインするようになり、実用性が明らかに低下した。このあたりは開発者は意識しないのだろう。(Fcitxを使うようなことがないだろうから)

Cinnamonは機能はシンプル、特に設定項目は少ない。デスクトップエフェクトもほとんど選択できないし、ショートカットの設定も少ない。

だが、非常にツボを抑えた機能を持っている。

例えば、クイックタイルはシンプルにSuper+Cursorであり、現在位置を基準にしてタイルする。Super+Leftは非タイルなら左にタイルし、右タイルならフローティングする。

PAアプレットではサウンド出力先を一括で変更できる。この機能で変更した場合カスタマイズされた設定に戻すのが大変なので使用していないが。

他にも

  • ネットワークアプレットによる切り替え・切断が加担
  • ウィンドウのボタンは配置も任意に設定できる
  • ウィンドウコーナー機能もある
  • デスクレット機能
  • 拡張機能(ほとんど正常に動作しない)
  • 通知のオンオフ
  • サブメニューを持つsystrayアイテムはスライド式で階層化される

軽量で安定していることもあって(さらには高速でハードウェアアクセラレーションも使用することもあって)、本来はPlasmaを利用したいと思いつつ、Cinnamonから抜けられないのもこうしたことからだろう。

Linux 4.6 rc4

Linux 4.6 rc2においては、Godavariマシンでは問題がなかったものの、Nehalem-WSマシンでは

  • btrfsマウント時に大量のメッセージが表示される(RAID6のベンチマーク?)
  • シャットダウン時、dmなどが閉じられず電源停止に至らない
  • オーディオデバイスの入力が大量のノイズで埋もれる

といった問題が生じていた。

だがこれらはRC4で解決した

btrfs関連の修正も既に多く入っており、非常に期待できる。相変わらずのいい仕事だ。

Xリモートログイン

うちにある練習機は、Pentium M 1.70GHz, 512MB RAM, 40GB SATA1 HDDという非力なラップトップだ。

一方、予備環境は32GB RAMを備えるGodavariマシンなので、明らかにそれを活用するのが正しい。
ただ、デスクスペース的にGodavariマシンの前に座ることができない。

そこで、リモートデスクトップでGodavariマシンを使いたいと考えた。

XDMCP

XDMCPは、昔からある「X serverを使ってリモートデスクトップ」。

ふたつのX serversを接続し、ターゲットのX Clientが描画する領域をXプロトコルで端末へ転送する。XDMサーバーは要求・操作を仲介する。

リモートデスクトップでリモートコンピュータに「ログインしたい」場合は最も簡単な方法として「ログインする画面から画面をとばしてもらえば良い」わけで、それを実現するのがXDMCPだと考えていいだろう。

LightDMでサーバーセットアップ

ものすごく単純な話で、/etc/lightdm/lightdm.conf

[XDMCPServer]
enabled=true
port=177

のようにする。

Manjaroは標準(XFceイメージ)ではLightDMを使用する。KDEイメージはKDMなので、あまり安定していないらしい。
LightDMが最善なもよう。

クライアント

XnestかXephyr。

なぜかログインできないというトラブルが多発したが、結局はXFceならログインできた。(最初はログインできなかった)

Xephyrのほうが使いやすい印象だ。なんといってもフルスクリーンが可能(-fullscreenオプション)。また、VNCと違い、端末側が解像度を指定できるというのもメリット。

$ Xephyr -query 192.168.1.17 -screen 1920x1080 -br -reset -terminate :1 -fullscreen

LightDMセッションにおいてのみ、キーボードがUSになっていた。

遅い

リッチな環境であるVNCやRDPよりもXクライアントひとつ飛ばすだけで重いときいてはいたが、画面全体を飛ばすXDMCPだと、1GbEでも動画再生はきつい。

セキュリティ

覗かれる、という問題は、SSH経由でのXDMCPは無理なようなので、どうしようもない。

その他の選択肢

NX

良好なパフォーマンスを得る方法として、NXが挙げられている。

NXはNoMachineのFreeNXが昔話題になったが、その後の選択肢としてはGoogleのNeatX、あるいはnxagentといったところのようだ。

AURを見ると、nx-allなど、OUT OF DATEフラグが立っているがFreeNXもあるようだ。

x2go

x2goは最近話題のようだが、XとSSHということなのだろうか。

VPS相手にできるようだから、パフォーマンスは良いのかもしれない。

Waylandの場合

Waylandはこうした機能がなく、リモートレンダリングサーバーがあれば良いとしているらしい。

X.OrgをWayland上で動かせば実現するけれども、新しく作りなよ、ということらしい。

Waylandは今どうなっているのだろう。

XFceのタイル表示

どの環境も不安定な中、一番まっとうに機能するのがXFceなのだが、タイル機能が重要だ。現代的なWMならばもはや備えていて当然となっているウィンドウのタイル機能だが、気づきにくいものの、実はXFceも4.10で搭載した。

タイル方向は上下左右の4辺エッジのみ。KDEとCinnamonは隅を含む8エッジをサポートするのでそれと比べると弱い。マウスについては「マウスポインターの移動時に循環する」「ウィンドウのドラッグ時に循環する」をオフにすればできる。が、他のデスクトップ同様にデュアルディスプレイでは境界に絡むリサイズ・タイル化ができない。

ショートカットキー設定は設定マネージャーのウィンドウマネージャーの「キーボード」から可能。

これでかなり使いやすくなった。