ThinkPad E440がスリープから復帰できない問題 (機種固有)

ThinkPad e440は基本的にLinuxではスリープ/サスペンドからの復帰が全くできない。 スリープに入る段階でフリーズしてしまうため、スリープはできるのだけれども、電源再投入ができなくなる。 ちなみに、Windowsでもやや不安定で復帰できないことがある。

Linuxのスリープというのは結構複雑な問題で難しく、調整が必要なことは珍しくないのだが、それでもなかなかうまくいかず、 しかしe440の出番がそれほど多くないことから放置していた。 そもそも私がスリープをほとんど使わないという理由も大きい。

ただ、最近不便を感じ始めていたので対応することにした。

ArchWikiには機種ごとの情報があったりするので調べてみたところ、e440のページもあった

のでこれに基づきBIOSのアップデートを試みる。 現在の最新バージョンは2018-03-06のv.2.27で、ArchWikiの記述と異なりISO配布されているため特別なツールは必要ない。

アップデートしたところ何の問題もなく復帰できるようになった。 なんのこっちゃ。

ThinkPad X1 Carbon 2017 レビュー

モデル

構成

ThinkPad X1 Carbon 2017で、Core i5-7500U, 8GB RAM 128GB SATA M.2 SSD, FHDディスプレイだ。

シルバーボディで、中国生産モデルとなった。

NVMeストレージやUHD液晶を選択しなかったのはバッテリーマイレージのため、i7や16GB RAMを選択しなかったのは価格のためだ。

第8世代がきちゃったけど

KabyLakeプロセッサモデルであることについては、認識自体はあって少し悩んだ。

実際、既にCoffeeLake2プロセッサはきている。 だが、CoffeeLakeプロセッサはかなり難易度が高いということで潤沢に供給されているわけではないし、そうなると低消費電力版が出てくるのはまだ先だろう。 ThinkPad X1 2018には採用される可能性が高いが、40%以上のoffになるには半年近い時間がかかる。

そうなると、CoffeeLakeモデルをこれくらいの価格で購入できるのは半年から1年くらい後ということになり、既にラップトップが壊れた問題を抱えている私には待てないものだった。 待てる人ならば、性能向上は大きいので待ったほうがいいと思う。

インプレッション

速度

もうちょっと速くてもいいかなぁ、と思わなくはない。

SSD + Core i5という構成で性能は十分だと思うのだが、状況によってはもっさりだ。 特に、KDE Plasmaが遅いと感じることはないのだが、SATAとはいえM.2 SSDを挿している状態で起動がちょっと遅いのではないか…と感じる。 電源ポストでの待ち時間が長めに設定されているということもあるが。

起動はLinuxよりWindowsのほうが速い。 特にKDE Plasma/Cinnamonの起動はそれなりに遅い。

メイン機として使う人であればCore i7+16GBのほうが良いと思う。 この構成で「満足な速度」ではないからだ。 サブ機として考えればそんなにストレスフルなわけでもないので許容範囲かなという印象。 バッテリーマイレージと引き換えになるが、NVMeストレージを選択したほうが良いかもしれない。

Cinnamon/KDEの動作速度自体はメインのワークステーションよりも良好だ。 これはKabyLakeが持っているグラフィックアクセラレーション機能が優秀であることの現れだろう。 ドライバの出来の問題や画面の広さもあるかもしれないが、KDE Plasmaでまるでひっかかりがないのは初めての経験である。

マイレージ

私の通常作業(Wi-Fi接続で、ウェブで調べ物をしながらのタイピング。輝度は30%程度、キーボードバックライトoff、Bluetooth off)では16時間程度という感じだ。

再起動も多用するインストール/セットアップ中は6時間程度だった。

輝度を落としてWi-Fiも切れば20時間は突破しそうだし、文句なしのロングマイレージと言っていい。 素晴らしい。

トラックポイントとトラックパッド

トラックポイントはlibinputを使っているとちょっと癖のある動きをする。 少し強く触ったときの動きが大きすぎるのだ。 感度を落とすと安定するのだが、KDE Plasmaでは設定できないため、辛いところがある。

ただし、これも慣れればなんとかなた。

e440と違い、ちゃんと独立したボタンは優秀だ。 Linuxでは「中ボタンクリックができる」ことは重要だろう。

また、感触がよく広いトラックパッドは「押せるように」なってる。 これは、クリックエミュレーションではなく、本当にクリックイベントを発生させる。 ほとんどの位置で左クリックだが、右下の端でのみ右クリックとなる2ボタン仕様だ。

トラックパッドでのクリックは、ボタンクリックと比べて強くおさくてはならない。 そのため、トラックパッドの決定である「タイピング中にどこかに飛んでしまう」ということをそもそも発生させないことができる。

この問題は「トラックパッドが認識されるから」ではなく、「クリックエミュレーションの結果として意図せずクリックされて」発生する。 ThinkPad X1でもクリックエミュレーションをオンにして、軽くぽんとタッチするだけでクリック動作を発生させることは可能だが、クリックエミュレーションをオフにしても、トラックパッドをボタンとして押すことでちゃんとクリックは機能するのだ。

そのため、クリックエミュレーションを無効にしてしまえば、ありがちな「ぶっとび問題」は全く発生しなくなる。

Manjaro Linuxでは最初からクリックエミュレーションが無効の状態になっていた。

キーボード

ThinkPadのキーボードはラップトップとしてはどれも素晴らしいものだ。 だが、X1のキーボードはことさらに素晴らしいと思う。

実際に使いはじめた最初は、e440よりもクリック感が強く重いことから、ややミスタイプ(というよりもアクチュエーションポイントに到達しない空振り)が発生したが、すぐ慣れた。 ストロークはごく短いがクリック感があり、そこそこ打ちやすいキーボードというのは他にもあるが(例えばhpのSpectre13やEnvy13のキーボードだ)、やはりこのストローク感が打ちやすい。

ThinkPadの良さというか、THinkPadでなければならない大きな理由のひとつだと思う。

ネットワーク

Wi-Fi, EthernetともにIntel製だ。

少し勘違いしていたのだが、ThinkPad X1 2017にはEthernetがないわけではなく、チップとしては載っている。 単に口がないのだ。

専用の口になっており、アダプタはそこからEthernet信号を引き出すものになっている。 なお、使ってみたのだが、認識されないのかリンクがとりづらく、いまひとつであった。 重大な残念ポイントである。

スムーズな動作

コンピュータは意外と繊細で、構成の問題なのか、 「ひっかかりが生じる」ケースが割と少なくない。

店頭で展示されているPCを触ると、比較的低性能なモデルでも、自分のコンピュータよりもスムーズに動作するということが少なくない。 自作するとどうもクリーンインストール直後からメーカーPCと比べて変にレスポンスが気になる、ということがあるのだが、Lenovoのコンピュータはややその傾向がある。

国産のほうがなぜかスムーズだ…と感じるのだ。 hpやDellにもその傾向はあるが、Lenovoのほうがやや強いと思っている。

シルバーボディ

「ThinkPadらしくない」シルバーボディだが、結構ありだと思う。

いままで出たものと違い、全面がシルバーになっている。

ThinkPadはもちろん良いものであり、ThinkPadの黒も、ピーチスキンも、ThinkPadの誇りというべきものだ。

しかしながら、一般の人にとってはそうはならない。 ThinkPadの特別さを知る人は(少なくともスバル車を特別なものだと感じる人1よりも)十分にマニアだろう。

Mimir Yokohamaの仕事は一般の人を相手にするものなので、「ハッカーとしての特別さ」と同時に「普通の人が見て美しいと感じる」ことが必要とされた。 それによりThinkPadとSpectre132で悩んだのだが、その折衷案3としてシルバーのThinkPadにしたわけだ。

黒よりも滑らかな手触りと、高級感のあるシルバーは、Thinkpadファンなら(邪道だと思うかもしれないけれど)注目せざるをえないもので、そうでなくてもThinkPadを使ってきた私にとって、新鮮な気持ちで使える。 「黒がよかった」と感じることはない。

ちなみに、汚れにくく汚れも拭き取りやすい、アルコールで拭いても色落ちしにくいなどのメリットもある。

携行性

ベゼルが薄く、厚みもないため、13.3inch用のZeroShockラップトップバッグに収納可能であった。

1.1kgという重量は軽く、今まで使用していたThinkPad e440 (2.1kg)はおろか、Dynabook R51 (1.4kg)と比べても明らかに軽量で携行性は良い。 さすがにPavilion x10(970g)と比べれば若干重いが。

ただし、コンパクトなラップトップ収納スペースを持つものは13.3inch用が多く、Macbook Airなど13.3inchでも薄いものを想定していてうまく収納できないケースがある点には注意が必要だ。 実際、13.3inchと比べるとfoot printは大きい。

形状としては持ちやすく、重量配分も安定していて非常に持ちやすい。

スリープ安定性

実はLinuxだと「スリープから安定して復帰できるか」というのは構成次第の結構な運の問題である。4

ThinkPad X1 Carbon * Manjaro Linux5では問題なくスリープ/復帰できている。

結論

素晴らしく良い。 満足だ。


  1. クルマにおけるスバルや、ラップトップにおけるThinkPadは一種の憧憬の対象となっている。それは、それが「好きかどうか」とは別のこととしてだ。

  2. hpの個人向け高級ラップトップ。ちょっと高めだけれど、性能的にも良好で優れたデザインを持つ。2018年モデルは色が白になってしまい、だいぶ普通になってしまった。残念。

  3. hackerのThinkPad(ただしThinkPadらしくない)とSpectreのような美しさ(しかし遠く及ばない)である

  4. もちろん設定はできるが、設定したところでそれなりの確率で復帰できないものはあり、設定しても依然として復帰できないケースもある(特にAMD製ビデオカードにCatalystドライバを使用している場合は非常に多かった)。

  5. Manjaro XFce 17.06 x86_64 Linux 4.14.4 * KDE Plasma workspace環境である。Cinnamon, XFceでも安定してスリープから復帰できている。

悩みに悩んでThinkPad X1 Carbon 2017買いました

はじめに

この記事はThinkPad X1を買ったテンションの高さを活かして書いたものである。

結構悩んでじっくり調べたり検討したりしたので、そこで集積した知識のおすそ分けということになる。 どちらかといえばある程度わかる人向けで、比較が欲しい人向け。

モバイルラップトップでお悩みの方の一助になればと思っている。

購入を決めたわけ

以前はThinkPad e440を使っていたのだが、とにかく重いのと(2.13kg)、ディスプレイの具合がよろしくない。 仕事上、画面を人に見せることが多いため、ディスプレイの乱れはちょっと許容できない。

そこで、おんぼろな中古のDynabook R731を購入したのだが、これも具合がよくない。 キーボードが死にかけている(特にEnterキーはぐりっと押してやらないと入らない)のと、ヒンジが死んでいる。 HDDが死んで退役しかかったが、HDD換装により不死鳥の如く蘇った。 だが、相変わらずおんぼろであった。 キーボードを交換したところでR731の(というかDynabookの)キーボードは苦痛でしかない。

というか、お客様の前でそこまでぼろいラップトップを出すと不安にさせてしまう。

いい加減買い換えないとなぁ、と実に2年ほど考えていたのだ。

候補

候補に上がっていたのは以下

  • Lenovo ThinkPad X1
  • Lenovo ThinkPad A275
  • Lenovo ThinkPad T470s
  • Lenovo ThinkPad X270
  • hp Spectre13
  • hp Envy13
  • hp Elitebook Folio G1

全体的な傾向

ThinkPad

ThinkPadはThinkPadである、というべきかもしれない。

質実剛健で堅牢なつくり、無骨で、ThinkPadに求められるThinkPadらしいこだわりが貫かれている。

残念ながら現在はタッチパッドは常に搭載されているが、それでもトラックポイントは維持されている。独立したボタンと、トラックポイントと組み合わせてスクロール可能なセンターボタン、さらにストロークが深く確かな打ち心地を提供するキーボードなどだ。

キーボードのタッチは独特のものだ。デスクトップでもThinkPadのキーボードを使いたがる人は多い。

hp

まるっこい板と薄さ、そしておしゃれなデザインが特徴だ。

おしゃれラップトップといえばMacBookらしいが、hpはそれに優るとも劣らない。というよりも、Spectre13に関しては絶品だ。

キーボードはキーストロークが短く、固い。 かなり打ちにくいモデルが多いが、SpectreとEnvyに関してはそれなりにミスタッチしづらくなっている。 より固めだからだろうか。

除外理由

ThinkPad X270

Wi-FiはIntelとRealTek混在のようだ。

キーボードがX260とX270で変化した。X270のほうが柔らかくなった。 X260のキーボードのほうが好ましいと思う。 また、右方のキーが小さいのは、多用する私にとってはいまひとつである。

なにより、12.5インチというのは実際に使っていて常に「小さい」と感じるのだが、にも関わらず1.5kg近く携行性が劣るのは残念なところだった。

12.5インチの小ささも気になるし、1.5kgというのは重すぎるため、除外した。バッテリーマイレージも短めだ。 ThinkPadにはキーボードを強く求めているだけに、キーボードが劣るのも受け入れがたかった。

ThinkPad A275

謎の新選択肢A275。 A275自体もそのコンポーネントもとても情報の少ない謎のThinkPadだと言っていい。

ミニマムだと6万円台で購入できる(2017-11-01時点)というのが魅力だが、ミニマム構成だとウェブカメラやフロントバッテリーが含まれない。また、キーボードはバックライトなしだ。 X270のミニマムに近い構成だと7万円弱といったところである。

X270が95000円くらいなのでこの価格差をどう見るかだが、「ものすごく安いわけではないが確かに安い」。

ポップにも不明な点が多く

  • バッテリー容量がX270と異なる記載だが、カスタマイズすると同一だとわかる
  • A275の筐体は樹脂製となっているが、情報としては(マグネシウムフレームの)X270と同一筐体である

さらに、A10-9700Bというプロセッサがまた謎である。2016-10-24リリースのものなのだが、情報がとにかくない。 AMDのサイトのAPUの情報自体はあるが採用例がこれまでなかったのか、ベンチマーク情報は全くない。 「i3くらいじゃないか?」ということのようだが。

X270と比べるとバッテリーのもちが若干悪いようだ。 それ以外に特に目立った欠点はないどころかむしろX270よりも良いかもしれないほどだが、AMDなので実際に運用するとIntelと比べ妙にストレスフルな状況があるかもしれない。

Wi-FiがRealTekだったのが致命的。 LinuxではRealTek製Wi-Fiチップは非常に不安定で、E440でさんざん悩まされていた。

さらに1.5万円ほど安かったら決めていただろう。

ThinkPad T470s

X1とコンセプトが非常に近い、14インチのモバイルラップトップ。 値段的に少し安いのと、メモリモジュールのスロットが1つあるのが魅力だ。

キーボードの打ち心地が少し劣る、少し重い、少しバッテリー持ちが悪い、

T450sのときはバッテリー交換が可能で、メモリモジュールも挿せるということでX1とは明確に異なる価値があったのだが、T460s以降はX1とコンセプトが接近しすぎて「X1の劣化品」という印象が強くなってしまった。

特に1.3kgを越える重量はかなり魅力を減じている。 価格差の小ささもあり、「T470sならX1」という判断が働いた。

Folio G1

X270と比べキーピッチが均一で使いやすいそうに感じられるのだが、誤打率が非常に高い。 あまりにもうすすぎるからだろうか。

価格的にはX270よりも安く、性能的にも文句はない。 堅牢性も高くデザイン性も良い。

12.5インチというサイズは常に小さく感じられる。だが、970gという軽量さと引き換えならば悪くない。 10万円を切る程度という価格設定もとても魅力的だ。

だが、誤打率の高さが生産性と精神衛生にとても響くのは明らかであったため、除外した。

Envy13

Spectreの下のモデルとして追加されたEnvy13。 Envyよりも上のモデルとしてSpectreを追加してEnvyを廃止していたため、ある意味では正しい並びになった。

おしゃれで高級感はあるが、他のメーカーにもありそうな感じ、 MacBookのほうがおしゃれかもしれない。 Spectreの強烈なアピアランスはない。

Homeキーなどが右側に配置された。 このため右端を前提とした手の位置にしているとBSやEnterはとても間違える。 ただし、キー自体はSpectreよりも深めでよく、USB3.1 Type-Aがあるなど良い点もある。

これもかなり致命的なのだが、Spectreのような特別な魅力がないことと、価格的にはRAM 8GBを選択すると 12万円近くとX1とほぼ変わらない値段になるのが致命的だった。 この場合性能はX1にもSpectreにも接近するため、「若干安い分若干見劣りする」という事態になる。

「やすければ考える」という感じのものであったため、除外した。 1.24kgという重量も理由としては大きい。 95000円のモデルが8GBだったら決めていた可能性が高い。

X1 vs Spectre13

デザインはSpectre13のほうが優れていると思う。 hpはFolioにせよEnvyにせよおしゃれではあるのだが、Spectreはとびきりだと言っていい。

また、Spectreは13.3インチ、X1は14.0インチである。 携行性との兼ね合いでは13.3インチのほうが優れていると思う。 ただし、Spectre13は後部に厚みがあるため、13.3インチにしては小さくない。

ThinkPadのスピーカーは決して良いものではない。 スピーカーをウリにするSpectreは(十分にはなりようがないし、意味もないのかもしれないが)良いものである。

Spectre13のインターフェイスはUSB3.1 Type-Cが3つである。 よく3.1が3つも載ったものだと思うが、このいずれに挿しても充電できるというのだから驚く。 だが、Type-Cインターフェイス用のアダプタなどあまり手持ちにあるものではないし(私でもあるほうだと思う)、あまりうれしくない気がする。 付属するアダプタはUSB-Aに対するもののみ。 なお、映像出力はalt modeで行うようだ(Display Port出力)。映像出力用のハブはオプション、全部入りでかなり大きい。 この点においてはX1のほうがはるかに良いだろう。 さすがにRJ-45端子やVGA端子は省かれてしまっているが、USB-RJ45アダプタが標準搭載である。 わずかに追加することでHDMI-VGAアダプタに変更することもできる。

キーボードはSpectreのものはhpの中でも良い。ストロークは短いが確実に入力でき、誤打率は割と低い。 この手の薄いキーボードとしては非常に良いほうだが、さすがにThinkPadのキーボードが相手では分がない。 また、Spectreは薄さもあって結構たわむ。

モニターはSpectreはグレア、X1はノングレアである。 Spectreのモニターは美しいが、業務で使うにはX1のディスプレイのほうがずっと良いだろう。 背部に関してはX1のほうがたわむ。ThinkPadはディスプレイのトラブルが続いているため、この点はかなり気になる部分だった。 hpは圧力負荷テストはかなりやっているようだし。

ポインティングデバイスはSpectreはボタンのないタイプだが、誤動作は少なくトラックパッドとしては 不満もない。くぼんでいて、昔のトラックパッドが進化したもののようだ。 だが、やはりトラックポイントとボタンの組み合わせにはかなわない。トラックパッドはやや邪魔で誤動作もあるが、トラックパッド自体の使い心地は他のものと比べても非常に良い。

重量はほぼ同じだが、hp全モデルに言えることとしてSpectreは重量感がある。 逆に1.14kgとSpectreより若干重いThinkPadは非常に軽く感じる。

価格は今回(2017-11-01)はThinkPadの値引きが強く、同等の構成で1.5万円ほどSpectreが高額であった。 ThinkPadのクーポンが延長保証に対しても効いたのは大きい。 保証についてはThinkPad側には最大4年の延長保証があった。hpは案内がなかったが、あるのかもしれない。

最終的に

最終的には使い方で決めた。

ThinkPadは質実剛健、ハッカーの相棒と言えば一目に納得する「いかついやつ」だ。 ThinkPadには、それを知らない人にも伝わる凄みがある。 ThinkPad、そのフラッグシップたるX1を持つということは、ハッカーとしての自分を表現することを支えることになる。 自信があり、それを裏付ける実力があり、それを発揮するための道具があるという信頼感を示すことになる。

だが、それは、一般の、コンピュータに遠い人にとっては最も遠い位置にあることになる。 ハッカーの持ち物であり、コンピュータの象徴、つまりは「怖いもの代表」だ。

一方、Spectreは美しく洒落ている。 特に女性ならファッションの一部として持ち歩いてもいいと思うのではないだろうか。 街中で見ることはほとんどないので、目も引くだろう。 実際、Spectreを女性に見せた反応は非常に良い。 一般の人にとっては遠く、遠ざけたい世界を身近なものに、IT業界を、そして人とITの関係を変えていくという理念を考えればまさにそれを象徴するようなものだと言えるかもしれない。

だが、それは質実剛健さ、実力といったものを期待する人からすればチャラいように感じられるかもしれない。 私に求められているのは、洒落た伊達男のファッションではなく、確かな実力と誠実さなのだから。

結局は次の要素からX1を選択した。

  • キーボードの入力感の差は非常に大きい。生産性としてもストレスとしても
  • 後部の仕様など、Spectreに若干の無駄を感じる部分があり、あまり好みでなかった
  • Spectreのほうが高かった。性能・機能的にX1が優れていた分、Spectreのほうが1万円くらい安かったらもっと悩んでいた
  • キーボード以外にも本体側剛性、重量バランス、ポートの配置、リッドの強度などThinkPadのほうが実用品として洗練されている
  • Type-C x3というSpectreのインターフェイスに対する不満はかなり強かった。アダプタが色々と用意されていたなら印象はだいぶ違ったが
  • ヒンジ側を握って抱えたときの安定感がX1のほうがずっと高かった。道具として馴染むかどうかというのは大きいと思う
  • LENOVO側に明確に延長サポートがあり、それも比較的安価に提供された
  • hpの販売スタッフの姿勢が消極的で知識も不足しているように感じられた。画一的な回答を返しているだけで、hp愛も感じられなかった
  • ThinkPadのシルバーは全く印象が異なり、ThinkPadに備わっている重苦しさや威圧感がだいぶ和らぎ、スタイリッシュである
  • 信頼できる道具がほしいこと、伊達よりも誠実こそが私の武器であること、私のライフスタイルから言ってもSpectreと私が馴染まない気がしたこと

Spectreのデザイン性はモチベーションを大きく上げるが、全体にSpectreには「微妙だな」と思う部分が多かった。 そのもやもやが覆されることがなかった、というのがSpectreを選ばなかった理由だ。 X1もSpectreも非常に魅力的だという前提があるため、選ばないという選択がなされれば他方は選ぶという選択がなされることとなった。

ハッカー御用達のタイプの近いモデルでの比較。

項目 LENOVO ThinkPad X1 Performance hp Spectre13 Standard Dell XPS13 Standard
CPU Core i5-7200U Core i5-7200U Core i5-8250U
RAM 8GB LPDDR3 8GB LPDDR3 8GB LPDDR3
Display 14" FHD IPS non-glare 13.3" FHD IPS glare 13.3" FHD AG
Storage 128GB SATA M.2 SSD 256GB PCIe NVMe M.2 SSD 256GB PCIe SSD
Wireless Intel AC8265, BT4.1 Intel AC8260, BT4.2 Killer1535, BT4.1
Ports 2x Thunderbolt3, 2x USB3.0-A, HDMI, microSD, microSIM USB3.1-C, 2x Thunderbolt3 (alt), headset 2x USB3.0 A (1 PowerShare), SD(SD/SDHC/SDXC), headset, Noble lock, Thunderbolt3 (alt)
Webcam 720p/Mic HD TrueVision WebCam / DualMic WideScreen 720pWebcam DualArray mic
Speaker Stereo Bang&Olufsen Stereo Speaker Waves MaxxAudio 1Wx2
battery 3cell 57Wh, 15.3h 4Cell, 10h 60Wh, 18h
Weight 1.13kg 1.11kg 1.20kg
Charger 240g 45W USB-C, 2.4h 200g 45W USB-C 45W USB-C
Price 124,654 140,184 123,233
  • X1は自動適用のJPWE1105クーポン込み、XPS13は15%オフクーポン込み
  • X1はQHD(2550×1440), XPS13はQHD(3200×1800)液晶が選択可能
  • X1はUSB3.0 Type-A GbEアダプタが、SpectreはThunderbolt USB Type-Aアダプタが付属
  • XPSの駆動時間はスペックシートに記載がないため真偽不明

コメント

  • DellはKabyLake-Rプロセッサモデルが選べる。下位モデルはKabyLakeで、こっちの安さはかなりの武器
    • ちなみに、「第8世代」と呼ばれているKabyLake-R(8000番台)、ほとんどKabyLake(7000番台)と変化なしということでその呼び方が相当不評
  • 16GBを積む選択肢があるX1とXPSと違い、Spectreは8GB固定
  • スピーカーに無頓着なのはThinkPadの伝統。とはいえ、ラップトップの付属スピーカーにこだわる?
  • USB Type-CしかないSpectreの使い勝手がかなり気になる
  • すべてType-C給電。これからのスタンダードなのかもしれない
  • さすがにスペック自体は似通っている
  • X1のQHD選択可能はトピックスだけれども、XPSのQHDはそれを上回る。ただ少し特殊なドット数。
    • ディスプレイ自体、Dellが美しい
    • ディスプレイに関していえば、Spectreは綺麗ではあるけどグレアパネルで映り込みが激しく、作業上は不便
  • XPSのベゼルは極度に薄く、そのためサイズ的には13.3インチとは思えないほど小さい
    • ただ、この都合でXPSはウェブカメラが液晶の下側にある。個人的な意見としては、こっちのほうがいい
  • SpactreもXPSも決して打ちやすいキーボードとは言えない。キーボードは圧勝
  • また、この両者はタッチパッドも全くへこまない、ボタンもないものなので、ThinkPadが使いやすい
  • 比較した時、14インチが欲しいならX1一択
    • 14インチで13.3インチと同等の重量とはやはりすごい

国産の高性能モバイルとの比較。

項目 LENOVO ThinkPad X1 (Customized) Panasonic LX6 CF-LX6XDQQP NEC Hybrid-Zero (Customized)
CPU Core i7-7500U Core i7-7600U Core i7-7500U
RAM 16GB LPDDR3 16GB 8GB
Display 14" QHD IPS non-glare 14" TFT FHD Anti-glare 13.3" LED IPS FHD Non-glare, touch
Storage 256GB PCIe NVMe M.2 SSD 256GB SATA SSD 256GB SATA SSD
Wireless Intel AC8265, BT4.1 Intel AC8265, BT4.1 ac/a/b/g/n, BT4.1
Ports 2x Thunderbolt3, 2x USB3.0-A, HDMI, microSD, microSIM BD/DVD Super multi, 3x USB3.0-A, RJ-45(GbE), Mic, Headphone, HDMI, VGA USB3.1-A, USB3.0-A, HDMI, Mic, Headset, SD(SDHC/SDXC)
WebCam HD/Mic FHD/Array Mic HD / Stereo Mic
Speaker Stereo Stereo YAMAHA AudioEngine Stereo 1W+1W
Battery 3cell 57Wh, 15.3h 10.8V/3400mAh, 9.5h 10.0h
Warranty 3年 3年 3年
Weight 1.13kg 1.295kg 813g
Charger 240g 45W USB-C, 2.4h 220g 45W, 3h 192g, 3.5h
Price 170,532 274,228 189,300
  • X1は自動適用のJPWE1105クーポン込み

コメント

  • 14インチモバイルのライバルは実質Let’s Noteのみ
  • Let’s NoteはSバッテリーで1.295kg、Lバッテリーで1.495kg。14インチってそれくらいはする
    • Sバッテリーで9.5hと多分こちらが本命。Lバッテリーは16hとかなり駆動時間が長い
    • ちなみに、Let’s Noteはバッテリーパックが交換可能で、S+Lのセットもあったりする
    • しかしThinkPadはType-Cなので、Dell電源コンパニオンをはじめPDなUSB-Cバッテリーで充電できたりする。RAVPower RP-PB058とか良いみたい
  • Let’s Note全般に言えることだけれども、とても高い。これでもこのモデルは安い方(!)
  • Let’s Noteは全体的にレガシィなインターフェイスを維持している。これは実用上大変にありがたい
  • ThinkPadがハッカー向けの先進性なのに対して、Let’s Noteはさらに質実剛健で実用志向
  • Hydbrid-Zeroはこのモデルでも813gと非常に軽い。タッチ対応の2in1なのでモデルタイプがだいぶ違う
    • だが、実際ラップトップとして使っても決して劣らない性能を持っているところが恐ろしい
    • 13.3インチ。13.3インチのほうが激戦だからか、なにやらすごいモデルが多い
  • 残念ながらHydrid-ZeroはRAMは8GBまで。16GBは積めない
  • LX6は7500U搭載モデルが比較的少ない
    • LX6はカスタマイズできないけれどラインナップが異様なまでに豊富
    • オーダー自転車を扱うPanasonicらしいとも言えるかもしれない
    • X1で7600Uを選択することもできるけれど、性能差は1割未満。2万円近い値段差はほぼ報われない
  • 興味深いのがHybrid-Zeroがマイク端子(3.5mm 3極)とヘッドセット端子(3.5mm 4極)を持っていること。そのため、2プラグ型のSkypeマイクも、1プラグ型のヘッドセットも両方使える
  • 極限まで高性能化するThinkPad, 高性能パーツを使っているけれどそれ以上に高いLet’s Note, 性能高めのパーツ選択のHybrid-Zero
  • こうして見ると改めて14インチのライバルの少なさをとても感じる
    • 以前はXPS14なんてのもあったのだけれど…

検討に上がらなかったLenovo勢との比較

項目 LENOVO ThinkPad X1 Performance LENOVO ThinkPad 13 Standard LENOVO ideapad 720S Platinum
CPU Core i5-7200U Core i3-7100U Core i5-7200U
RAM 8GB LPDDR3 4GB DDR4 8GB DDR4
Display 14" FHD IPS non-glare 13.3" HD IPS non-glare 13.3" FHD non-glare
Storage 128GB SATA M.2 SSD 128GB SATA M.2 SSD 256GB PCIe NVMe M.2 SSD
Wireless Intel AC8265, BT4.1 Intel AC8265, BT4.1 Intel AC3165, BT4.1
Ports 2x Thunderbolt3, 2x USB3.0-A, HDMI, microSD, microSIM 2xUSB3.0, Powered USB3.0, USB Type-C (DC-in/Video out), HDMI, Headset, Lenovo OneLink+, DC Power, 4in1(SD/SDHC/SDXC/MMC) Media Reader USB3.0 Type-C(PD), Thunderbolt3(alt:DP, PD), 2xUSB3.0, Headset
Webcam 720p/Mic 720p/Mic WideScreen 720pWebcam DigitalArray mic
Speaker Stereo Stereo JBL Stereo
battery 3cell 57Wh, 15.3h 3cell, 13.6h 4cell, 12.8h
Weight 1.13kg 1.44kg 1.14kg
Charger 240g 45W USB-C, 2.4h 240g Lenovo DC, 2.3h 45W 200g USB-C, 3h
Price 124,654 64,152 87,048
  • ThinkPad13はメモリがスロット式である上にスロット数が2。古き良き柔軟仕様
    • このため、メモリ容量が少ないモデルに選択の余地があるので安く上がる
  • ideapadの方はThinkPadとは全く異なる、ごく今風で普通のモデル
    • キーボードはDellのものに近い。スピーカーにもこだわっていて、ライバルに近いもの
    • SSDはNVMeだし、メモリはオンボード。このあたりも最新のモバイルラップトップの仕様
  • ThinkPad13はエントリーモデルのような構成ではある
    • Xシリーズと違って樹脂ボディ。キーボードも光らない
    • しかし、メモリの交換が効くなど悪いことばかりではない
    • +9,720でFHD液晶が、+1080円でバックライト付キーボードが選べる
    • つまりX270よりも少し安い程度
    • 実は液晶やキーボードも選べるし、付属してないだけでUSB-Cでの充電もできる
  • ThinkPad13のオーダーモデルは納期が3-4週間と結構遅い
  • ThinkPad13は結構キラーモデルだと思う
  • 720Sのほうはライバルよりもちょっと安くて、同等性能のThinkPadの2/3くらいのお値段とかなり魅力的
    • ただし、ThinkPadの良さはなく、キーボードやタッチパッドなども異なる完全に別物
    • 別物だということを受け入れた上でなら実はとても良い選択肢。ライバルと比べても売れてないみたいだけど

ThinkPad X1の紹介

ThinkPad X1 Carbonについて改めて紹介しておこう。

ThinkPadは、かつてはIBMで販売されていたラップトップだ。 1992年に誕生した、A4サイズのラップトップ。

仕事に使える、持ち出せるコンピュータであり、先進的な、コンピュータメーカーの巨人であったIBMの矜持を詰め込んだラップトップだった。

堅牢性にこだわり、実用性にこだわり、キーボードにこだわった。 ThinkPadはあくまで「仕事をするための道具」だった。 21世紀が近づき、ラップトップも「おしゃれ」に化粧をはじめてもその質実剛健を実直に貫く姿勢から、信頼できる丈夫な道具を求めるハッカーやジャーナリストに愛された。

IBMのキャッチフレーズは“Think Different”だった。 日本IBMのボールペンには「考えよ」と書かれていた。

2005年にIBMのパソコン部門はLENOVOに売却され、ThinkPadもLENOVOから出ていますが、ThinkPadは今もThinkPadです。

「ビジネス」というと質素で退屈なイメージがある。その意味でThinkPadはビジネスという言葉とは若干ズレがある。 ThinkPadはハッカーや、優れたエンジニアが持っているととても様になる。 それを使いこなすことができる達人の道具、という趣がある。

ThinkPadにはThinkPadの哲学がある。 非常に強いこだわり、独自性があるのだ。 あくまでストロークが確保されたキーボード、「赤いポッチ」ことトラックポイントもその一部。 無骨なデザインも、ピースチキンと呼ばれる黒い塗装もその一部だ。

そのため、ThinkPadには熱狂的なファンが多い。 Mac勢(Appleファン)というのは基本的に熱狂的で偏屈なものだ。 だから、Apple製品を批判すると噛み付かれやすい。 それと比べWindowsユーザーを批判してもそうはなりにくい。広汎すぎるという理由もあるが。

だが、そんなWindowsユーザーの中で、熱狂的で強いこだわりをもっているのがThinkPadユーザーだ。 ThinkPadファンに対してケンカを売るのはあまり得策ではない。 こだわりがあり、能力があり、知識もあるThinkPadファンは、浅薄なディスりを受ければ相手を完膚無きまでに打ちのめすだろう。

黒の中に浮かぶ赤いぽっち。 まさにThinkPadらしさだ。

そんなThinkPadの、現代の頂点に立つのがX1だ。 2011年に登場したX1は、伝統的ThinkPadの継承である“Classic”ラインでありながら、薄型軽量で、最もスタイリッシュなモデルと位置づけられた。 2012年にはThinkPad X1 Carbonとなり、ThinkPadの頂点に立つモデルとして位置づけられてきた。

さらにコンバーチブルモデルのThinkPad YogaがThinkPad X1 Yogaとして合流している。

実際のところ、hpやDell、あるいはショップのプライベートブランドでも言えることだが、余計なソフトも入っておらず、基本的に使い方の分かっている人が買うものであり、ユーザー層もレベルが高い。 LENOVOにはLENOVOのPCもあるため、ThinkPadへの「無知なユーザー」の誘致はあまり積極的ではなく、「初心者お断り」な空気もあるにはある。

実際、生産性から言っても1から10まで教えてほしい人が購入するには向いていないだろう。

ThinkPad X1 Carbon 2017の紹介

ThinkPad X1 Carbonは14インチのラップトップだ。

14インチというのは、持ち歩きはあまり多くないことを想定した15.6インチと、持ち歩きだけを重視した12.1インチの間にある。 同じくそれらの中間である13.3インチが携行性を重視しているのに対して、14インチは性能や作業効率を重視しながら持ち歩きも考慮している、といった趣だ。

あまりこれらのサイズを取り揃えるメーカーというのはなく、特に14.0も13.3もあるメーカーというのは珍しい。実際、ThinkPadには13.3インチのモデルはない。

現行の14インチのラップトップは1.5kg前後のものが多い。 ちなみに、ThinkPadの14インチでエントリーモデルのE470に関しては1.9kgほどある。

ところがX1 Carbonは「14インチながら非常に軽い」というのが特徴だ。 方向性がかなり接近しているT470sが1.37kg、「軽い14インチ」として先鞭をつけたPanasonicのLX6が1.275kgであるのに対して、1.14kgとかなり軽い。これは13.3インチのhp Spectre13の1.11kgとほぼ同等だ。

しかも電池持ちが良い。 電池は容量と重量が比例するため、軽くするとバッテリー容量が減る。そうすると駆動時間が減ることになる。 そのため、小型軽量のモバイルPCは、意外と電池持ちがよくない。 それでもバッテリーをもたせるためにはCore MやAtomのような超低消費電力プロセッサを採用して性能を落として電気を使わないようにするのだが、X1はラップトップとしてトップクラスの高性能を兼ね備えている。 だが、電池持ちは14時間と非常に良い。

そしてCarbonの名の通り、カーボンファイバーを駆使して軽量だが堅牢なシェルを作っている。 フレームはマグネシウム合金製で、一眼レフカメラのようだ。

「大きめの画面ながらかなり軽くて丈夫で、とっても高性能で、電池もちもいい」 X1を簡単に言い表すとそういうことになる。

だが、それだけではライバルは多い。13.3インチ勢なら1kg前後というものもあるし、12インチまで落とすとLavie Hybrid Zeroに関しては779gと超軽量だ。 なかなかここまでバランスのとれたライバルはいないが、Envy13やSpectre13、XPS13などは強力なライバルとなるだろう。

だが、これら加えて極上のタイピングを提供してくれるキーボードがある。 慣れない人には使いにくいかもしれないが、トラックポイントも魅力的だ。

完璧じゃないかって? そう完璧だ。ここまで全方位にバランスの取れたラップトップは珍しい。 そうなると「すごく高い」という欠点があるのじゃないかと思うかもしれないが、国産モデル(NEC, Panasonic, Toshiba, Fujitsu, VAIOのことだ)を選択肢に考えられる人ならば、むしろとても安いことに驚くだろう。 最高性能を求めると結構高価になるが、それでも国産勢の高性能モデルとはだいぶ開きがある。

しかし欠点がないわけではない。 特に「普通の人」にとっては。

「おしゃれさ」優先の人には向かないだろう。 Let’s Noteとはまた違った意味で至って質実剛健、おしゃれさなど最初から求めていないし、そもそも色が黒しかない。今回X1にシルバーがあるのは、かなり驚きだ。

また、国産ラップトップのように、色々なソフトが詰め込まれているわけではない。 オプションでMS Officeはあるが、買ったらすぐはがき作成ソフトやDVD作成ソフトなど色々と入っていて欲しい人には向いていない。

「普通ではない」人に向けた話もしよう。

とにかく薄く、軽くしなければならないため、薄型ラップトップでは既に主流になっているが、組み込みになっているものが多い。 例えばバッテリーの自力交換はできないし、メモリは基盤実装であり増設も交換もできない。 SSDはM.2で交換は可能だが、普通のHDDが入れられるような構造ではない。 キーボードが部品として出ておらず、基盤も全部はずした上にパネルごと交換、というと驚くかもしれない。

つまり、X1を後からいじるのは難しい。基本的にメーカーに頼る必要がある。 しかも構成変更のようなことはほぼほぼできない。 ハードウェア的には、X1は渡された時点で完成品なのだ。

お勧めできるか

X1は「妥協なき高性能を持ち歩く」ことが中心にある。

持ち歩かない人にはあまりオススメできない。

それなりに扱いにくいハードウェア構成をしていて、改修ができない、修理代が高いという欠点がある。 あまり持ち歩かないのであればX1の良さを活かしきれない。 お金がありあまっているのならなくもない選択肢だが。

それにしても「持ち歩くための高性能」だと考えるべきだし、携行するときもあるけれど、携行重視ではないのならThinkPad T470sという選択肢がいいと思う。

そして13.3インチがいいか、14インチがいいか、という話になる。 13.3インチは他の人に画面を見せるときにはちょっと小さい。また、動画などを見る時には小ささを感じる。 それと比べ14インチは大きい。ただ、「モバイルとしては大きすぎる」と感じる程度に大きい。 14インチに価値を認めるならX1かLet’s Note、13.3インチがいいならその他ライバル勢ということになる。

しかし13.3インチが良いという場合でもThinkPadの素晴らしいキーボードがそれを上回る魅力を見せるかもしれない。 12.5インチのZ270は意外にも1.5kg近い。 重量が増加してもサイズが増加することを避けるのか、重量の増加を避け大型化を受け入れるのかという選択になるだろう。

ThinkPadの性能は選択によってアッパーミドルからハイエンドといったところ、 軽量、頑丈、大型ディスプレイなど隙がない。 モバイルラップトップとしては最高性能に近い。このため、次のような動機の人にならオススメできる。

  • 高性能で携行性の高いラップトップが欲しい
  • 携行性の高い、しかし画面の大きいラップトップが欲しい
  • キーボードがいいラップトップが欲しい

携行性はいらず、高性能なものが欲しい場合は、ThinkPad P51を検討するといい。 携行性はそこまで重視せず、高性能なものが欲しい場合はThinkPad T470sを検討するといい。

携行性をそれほど求めず、画面が大きいものを望むのなら、 ThinkPad T470sのほか、XPS15も良い選択肢だ。 携行性を重視し、画面サイズは小さくていいのなら、Spectre13やXPS13、Hybrid-Zeroなどが有力な選択肢だ。

Let’s Noteは常に強力なライバルである。ただし、高い。

キーボードを望むならThinkPadしかないが、次のような選択肢幅がある

  • やや重いがより小型で安価 : X270, A275
  • やや重いがやや安価 : T470s
  • 同サイズで携行性・性能は妥協、安価 : E470
  • 大きめサイズで携行性は妥協、安価 : E570, E575
  • 重量は重いがより高性能 : P51

ちなみに、実際にタイプすると他のシリーズとは若干だが感触が違う。 個人的にはX1, T470s, P51/s, その他の順だ。

ThinkPad e440 * PCLOS

ラップトップはPCLinuxOSで運用しているのだが、いくつかの不具合に気づいていた。
修正しておいた。

フォント問題

Konsoleが適切なフォントで表示しない。

KonsoleはKDEのMonospaceフォントの設定に従うのだが、KDEのMonospaceフォントは好きなフォントを指定できない。
Monospaceフォントに任意のフォントを使いたいのであれば、Fontconfigでmonospaceフォントを明に指定するしかない。

しかし、多くの場合Konsoleはフォントの幅がおかしく、おかしなことになる。
カーソル位置と文字位置がずれてしまうのだ。

この点については、Monospaceフォントをmonospaceにし、さらにフォントを選ぶことで調整する。
それでもKonsoleはずれやすいので、素直にQTerminalあたりを使うほうがマシかもしれない。
最も良いterminalアプリはXFce Terminalだと思う。PCLOSでも使用可能だ。

また、いくつかのフォントで異常な表示になっていた。
Web上で散見されたので、Fontconfigでそのフォントを置き換える。

Touchpad Synaptics

タッチパッドを使ったスクロールが正常に機能していなかった。
twofinger scrollも相当回しまくらないと動かないし、Circular Scrollingに至っては30回ほど回して3行スクロールされるため話にならない。

KCM Touchpadでいくら調整してもまともにならなかった。結局、kcm_touchpadをアンインストールして、手動で調整することで解決した。
Touchpad-solutionを入れておくとベースになる設定を作りやすい。

Section "InputClass"
    Identifier "touchpad catchall"
        Driver "synaptics"
        MatchIsTouchpad "on"
        MatchDevicePath "/dev/input/event*"
        #Option  "Device"        "/dev/input/mouse0"
        Option  "Protocol"      "auto-dev"
        Option  "LeftEdge"      "1700"
        Option  "RightEdge"     "5300"
        Option  "TopEdge"       "1700"
        Option  "BottomEdge"    "4200"
        Option  "FingerLow"     "25"
        Option  "FingerHigh"    "45"
        Option  "MaxTapTime"    "180"
        Option  "MaxTapMove"    "220"
        Option  "VertScrollDelta" "-100"
        Option  "HorizScrollDelta" "-100"
        Option  "MinSpeed"      "0.20"
        Option  "MaxSpeed"      "1.00"
        Option  "AccelFactor" "0.15"
        Option  "SHMConfig"     "1"
        Option  "VertTwoFingerScroll"   "1"
        Option  "HorizTwoFingerScroll"  "1"
        Option  "VertEdgeScroll"        "0"
        Option  "HorizEdgeScroll"       "0"
        Option  "TapButton1"            "1"
        Option  "TapButton2"            "2"
        Option  "TapButton3"            "3"
        Option  "EmulateTwoFingerMinZ" "40"
        Option  "EmulateTwoFingerMinW" "8"
        Option  "RTCornerButton" "3"
        Option  "CircularScrolling" "on"
        Option  "CircScrollTrigger" "6"
        Option  "PalmDetect" "1"
        Option  "PalmMinWidth" "10"
        Option  "PalmMinZ" "200"
EndSection

ついでに自動起動でsyndaemon -t -k -i 2 -dして完了。
スムーズに動くようになった。Windows 10に合わせてナチュラルスクロール化している。

USB3.0

e440がUSB3.0だとかいうので、実際に試してみた。

USB3.0ペンドライブを左側奥に挿した場合

/:  Bus 04.Port 1: Dev 1, Class=root_hub, Driver=xhci_hcd/6p, 5000M
    |__ Port 5: Dev 2, If 0, Class=Mass Storage, Driver=usb-storage, 5000M
/:  Bus 03.Port 1: Dev 1, Class=root_hub, Driver=xhci_hcd/14p, 480M
    |__ Port 7: Dev 2, If 0, Class=Wireless, Driver=btusb, 12M
    |__ Port 7: Dev 2, If 1, Class=Wireless, Driver=btusb, 12M
    |__ Port 12: Dev 3, If 0, Class=Video, Driver=uvcvideo, 480M
    |__ Port 12: Dev 3, If 1, Class=Video, Driver=uvcvideo, 480M
/:  Bus 02.Port 1: Dev 1, Class=root_hub, Driver=ehci-pci/3p, 480M
    |__ Port 1: Dev 2, If 0, Class=Hub, Driver=hub/8p, 480M
/:  Bus 01.Port 1: Dev 1, Class=root_hub, Driver=ehci-pci/3p, 480M
    |__ Port 1: Dev 2, If 0, Class=Hub, Driver=hub/6p, 480M

左側手前に挿した場合

/:  Bus 04.Port 1: Dev 1, Class=root_hub, Driver=xhci_hcd/6p, 5000M
    |__ Port 2: Dev 3, If 0, Class=Mass Storage, Driver=usb-storage, 5000M
/:  Bus 03.Port 1: Dev 1, Class=root_hub, Driver=xhci_hcd/14p, 480M
    |__ Port 7: Dev 2, If 0, Class=Wireless, Driver=btusb, 12M
    |__ Port 7: Dev 2, If 1, Class=Wireless, Driver=btusb, 12M
    |__ Port 12: Dev 3, If 0, Class=Video, Driver=uvcvideo, 480M
    |__ Port 12: Dev 3, If 1, Class=Video, Driver=uvcvideo, 480M
/:  Bus 02.Port 1: Dev 1, Class=root_hub, Driver=ehci-pci/3p, 480M
    |__ Port 1: Dev 2, If 0, Class=Hub, Driver=hub/8p, 480M
/:  Bus 01.Port 1: Dev 1, Class=root_hub, Driver=ehci-pci/3p, 480M
    |__ Port 1: Dev 2, If 0, Class=Hub, Driver=hub/6p, 480M

右側に挿した場合

/:  Bus 04.Port 1: Dev 1, Class=root_hub, Driver=xhci_hcd/6p, 5000M
/:  Bus 03.Port 1: Dev 1, Class=root_hub, Driver=xhci_hcd/14p, 480M
    |__ Port 6: Dev 4, If 0, Class=Mass Storage, Driver=usb-storage, 480M
    |__ Port 7: Dev 2, If 0, Class=Wireless, Driver=btusb, 12M
    |__ Port 7: Dev 2, If 1, Class=Wireless, Driver=btusb, 12M
    |__ Port 12: Dev 3, If 0, Class=Video, Driver=uvcvideo, 480M
    |__ Port 12: Dev 3, If 1, Class=Video, Driver=uvcvideo, 480M
/:  Bus 02.Port 1: Dev 1, Class=root_hub, Driver=ehci-pci/3p, 480M
    |__ Port 1: Dev 2, If 0, Class=Hub, Driver=hub/8p, 480M
/:  Bus 01.Port 1: Dev 1, Class=root_hub, Driver=ehci-pci/3p, 480M
    |__ Port 1: Dev 2, If 0, Class=Hub, Driver=hub/6p, 480M

つまり左がUSB3.0で右がUSB2.0。
さらに言えば、左側のUSB3.0はひとつのroot_hubで、USB2.0は3つ全部でひとつのroot_hub。

e440はUSBポートはすべて黒いので注意が必要。

ちなみに、これを調べるまでSDカードスロットが手前下方にあるとか知らなかった。
さらにBTがあることも知らなかった。ただ、BTはデバイスが見つからないので使えない。理由は分からない。

日本語入力

Gtk2アプリに大してUIMが機能しないという問題があり、gtk-query-immodulesでもどうしようもなかったので対応していた。

結局、develを含めて全UIMコンポーネントをインストールすることで解決した。
この過程でUIM appletが動作せず、uimを有効にできなくなってしまったが、再インストールで解決した。

uim-mozc-neologd-utというパッケージがあって

Uim 用 Mozc プラグイン (Mozc NEologd UT 用)
Uim で Mozc NEologd UT を使用するためのプラグインです。

※ インストール後はコンピューターを再起動してください。

とあり、UTが使えるようだ。
さすがTomcatさんというか、おかげで文字入力効率は大幅に向上した。しかし、Mozcではひらがな/カタカナキーが機能しないという問題がある。
普通はあまり気にしないよということかもしれないが、かな入力の一貫として私は全角英数入力のためにEisu-toggleを使っているので、ここで英数にした時にかなに戻ることが難しい。
そこで、無変換をひらがな/カタカナキーの代わりに使用するように変更した。

なお、アプレットはuim-applet-gtk-systray以外はAnthyで予測変換の候補が出ない。

Windows 10 テスト

アップグレード

Windows 10がようやくThinkPad e440に入ってきたので、テストした。

まず、事前にClonezillaでディスクイメージを獲得した上でアップグレード。
LUKSを使っていることもあり、Clonezillaは最適ではなかったように思われる。

アップグレードはシンプルで、タスクトレイのWindows 10アイコンから起動したら、あとは表示にしたがって進めていけばいい。
途中再起動しながら進んでいく。不安になるような場面もないではないが、Windows 7のインフォメーションの少なさからすればはるかにわかりやすいレベルだ。

アップグレードして起動すると、かなり時間がかかってからログオンスクリーンが表示される。
だが、ログオンすると黒い画面のまま長く停止する。タスクマネージャを見ていると、ずっとCPUはかなり高い水準にあり、その後落ち着いても変わらず黒いスクリーンのままだ。

なお、PID5の起動失敗がリポートされる。

しかし、再起動すれば正常に起動した。

Windows 10

RAMを予め8GBに拡大していたこともあって、Windows 10はさくさく機能する。
デスクトップテーマは「おおよそ」引き継がれ、ぱっと見の差異は小さい。また、Lenovoのアプリケーションはいずれも引き継がれ、タスクバーに鎮座する。

ショートカットキーが強化されたこと、タスクバーに検索が追加されたことでかなり使いやすくなったように感じる。
もっとも、私が入力中心の起動を元々していたからであって、スタートメニューから階層をたどる方法をしてきた人にとってはやりづらいかもしれない。
ちなみに、私はWindows 7ではLaunchyをメインに、スタートメニューを使う時は検索を使っている。検索は、それなりに速くなった。

Windows 8 (8.1) の絶望的な使いにくさはない。評判は悪いが、実際Windows 8よりは圧倒的に良いと思う。
これできちんと動けば、Windows 7よりも好きだ。

コントロールパネルが隠されたという点は好ましくない。
設定から遠ざけていることが問題ないのに、さらに遠ざける選択をしているからだ。
ショートカットキーを使うか、あるい検索によって見つけることができる。

やはりGodModeを使用することが望ましい。これは、コントロールパネルのフラットメニューのようなものだと考えていい。
godMode.{ED7BA470-8E54-465E-825C-99712043E01C}というフォルダを作ることでgodModeへのショートカットとなる。

Windows 10自体の印象はよく、

  • Audacity
  • ドラコンスピーチ11 日本語版
  • VLC Media Player
  • AIMP
  • XNViewMP
  • サクラエディタ
  • Opera Developer
  • Sylpheed
  • Skype for Desktop

の起動を確認した。

全体には良好なエクスペリエンスを得られるが、起動と終了は非常に遅い。
終了時は終了したと思っても、十胃は電源が切れていないことがある。

元々デュアルブートだった場合は、それは維持される。
グラフィカルな画面で良いが、そのかわり他のOSを選ぶと再起動されるようになった。
直接呼べなかったのかと疑問は残る。

  • DTM

問題はDTMだった。

Image-Line FL STUDIOは、12から正式にWindows 10をサポートしており、確認の必要がないと判断して確認しなかった。

US-366は既にWindows 10をサポートしているが、x64のフォルダにあるsetup.exeを使う必要があるのと、なかなか成功しなくて困ったりもした。

SONAR X3 PRODUCERはちゃんと起動するが、今回MelodyneとXLN Addictiveシリーズは検証しなかったものの、それ以外についても、SONAR X3 PRODUCERを入れた時点でプラグインは65であるはずだか、49しか認識されない。
少なくともBREVERBが認識されていないこと、x64かx86かは関係ないことを確認した。

ThinkPad e440 * Linuxの長い戦い

何を導入する?

e440の構成は以前はWindows 7とPCLinuxOSのデュアルブートだった。
その前はSabayon Linuxで、結構安定していたのだが、使いにくい部分があり、PCLinuxOSとなった。

これが潰されたのは、Windows 7の書き戻しのためだ。

その後、時間がなかったため放置され、今回再編成に伴ってWindows 7はそのまま修正することが決まったため、Linuxを導入することになった。

ところが、これが辛い道のりだった。

望ましい構成は

  • sda1 Windows booy
  • sda2 Windows System
  • sda3 /boot
  • sda4 Extended
  • sda5 truecrypt
  • sda6 LUKS LVM PV

というものなのだが、このためには

  1. /bootにPBRとしてGrubを導入できる
  2. 手動パーティショニングができる
  3. LUKS上にLVM PVが作成できる

という条件を満たす必要がある。
ところが、個々には一般的なことであるにもかかわらず、要件を満たすインストーラがない

  • Manjaro Thus : PBRインストール、LVMに対応しない。crypt swapでエラーとなる
  • Manjaro Calamares : LUKSに対応しない
  • Manjaro CLI Installer : UUIDで設定するが見つけられずエラーになる
  • Linux Mint : LVMに対応しない。複数のcryptデバイスを設定できない
  • openSUSE : PBRへのGrubインストールを無視する、エラー多数でうまく動作しない

困り果ててしまった。
途中、諦めてPCLinuxに戻ったりもしたのだが、AddLocaleが正常に動作せず、ほかを試し、結局3日ほどかかった。

この要件、自動インストールであればちゃんと動作するのだが、手動だとなかなか動かない。
インストーラの品質は難しいところなのか。

ちなみに、Manjaro 0.8.13においては、WiFiが接続はできるが、通信しているとストールしてしまうという問題も発生した。

セットアップ

結局うまくいったのはPCLinuxOSだった。(Reiser4が使えなかったりはした)
AddLocale周りの設定は、手順としては(@PCLOS 2014.12 KDE)

  1. インストール
  2. 初期設定
  3. アップデートとアップグレード
  4. 再起動
  5. Localization ManagerからのAddLocale
  6. リポジトリをJAISTに変更し、Tomcatさんのリポジトリを追加する。パッケージリストはリロードしておく。
  7. アップグレードしておく
  8. gsetime(入力メソッドの選択)でIMEにuimを選択する。uimは私の好みなのでscimやfcitxにしても構わない。i-busを使用する場合はTomcatさんのリポジトリの追加を忘れない

なお、解像度がどうしてもXGAになってしまうため、PCLinuxOS Control Centerで設定しておく。KDEの設定で設定しても再起動時には戻ってしまう。

uim

uimを選択したのは、元より日本人が日本語入力のために制作したもの(SCIMやfcitxは日本語のために作られたわけではない)であり、非常に軽量でセキュアだ。シンプルだが、「日本語を入力する」という観点から言えば最高だと思っている。

残念ながら開発が停滞し、国際的にも支持されていないことから消えそうになっている。
日本でもMozcがuimが使えない(そもそも、人気の高いUbuntuやFedoraが国際的なものでSCIM, i-bus, fcitxなどを採用する)といったことで使われなくなってしまっている。

SCIMやi-busと比べ、安定していて高機能なfcitxにさほど不満はないが、やはり私はuimが好きだ。

PCLinuxOSのIMEは、MozcにせよAnthyにせよ、入力効率は非常に悪い。
しかし、Tomcatさんのリポジトリを追加することで、入力効率に優れたかな漢字変換を使用することができるようになる。

野良版のuim関連のパッケージを一通り入れても、UIM appletは起動しない。
だが、uim-toolbar-gtk及びuim-toolbar-gtk3は存在するため、これを自動起動に追加すれば動作するようになる。

uimはWeb変換サービスに対応している。
Ubuntuにもuim-google-cgiapi-jp, uim-baidu-olime-jp, uim-social-ime, uim-ajax-ime, uim-yahoo-jpのパッケージが用意されている。
野良版uimはこれらも既にセットアップされた状態で提供される。

なお、uimだとkkcは利用できない。
kkc愛好家(いるのか?)の方はfcitxを使用すること。

野良版uimだと、公式のfcitx-mozcで生じるかな入力において「ー」が「ろ」になる問題、fcitx-anthyで逆に「ろ」が「ー」になる問題は解決されている。

sudoは

sudoはi586版だとspecialにあるが、x86_64版は普通にある。

サスペンド/ハイバネーション

e440だとサスペンド(スリープ)/ハイバネーションできない。ずっとファンが回っていてハードディスクの音がしているので、復帰できないのではなく、サスペンドに入れないのか。

Window decorationsをいじるとまずい

KDEのBTSにも記載があるけれど、ウィンドウの装飾を変更するとKDEが起動しなくなる。

~/.kde4/share/config/auroraercをトバすだけでは解決しないため、かなり厄介な問題になる。要注意。

ThinkPadを修理に出すことに

ハードウェア

なんかCtrlとShiftの打ち心地が悪いなぁ、と思っていたThinkPad e440だが、ついにキーボードが落ちてしまった。CtrlとShiftとSuperが押すと沈んだまま戻ってこない。ぱちぱち弾いていると戻り、しかしかなりひっかかってしまう。

もう、近く効かなくなるのは目に見えているし、直したいのだが、問題がちらほら。

まず、キーボードが気になったのは購入後2ヶ月以内の時点だろう。少なくとも友部ではCtrlがひっかかる、ということは言っていた。多分、それよりも前から気になっていた。そして今回ついに、である。

このことについて私はかなり怒っている。

newbieだったり、もしくはライトユーザーだとピンとこないかもしれないが、ThinkPadというのはひとつの偉大なブランドなのだ。IBMはかつては世界を牛耳るコンピューターメーカーだった。その偉そうな態度ややり方が気に入らないと、I hate IBMの理屈でコンピュータの世界は興隆してきた。

そんなIBMがパソコンの時代とともに緩やかに衰退する中、パソコン時代のIBMを象徴するのがThinkPadだ。高価だが堅牢で高性能、まさにビジネスマンの武器であり、日本では最もタフにラップトップを使うと言われるジャーナリストたちはThinkPadがLet’s Noteのどちらかを選んだ。

ThinkPadの特徴はさらに、トラックボールの時代から特徴として挙げられ、フェラーリF1になぞらえたCMさえしたことのある「赤いポッチ」、トラックポイントと、堅牢でEnterキーを叩きつける部長(このネタもかなり古い)の荒い打鍵にも耐えるタッチの良いキーボードだ。

だが、IBMは2005年、パソコン部門を切り離し、Lenovoに売却した。その時、ThinkPadの未来は不安視されていた。

LenovoはThinkPadに他と同じタッチパッドを搭載した。面積が大きく、ご動作が生じるタッチパッドが嫌いだからこそのトラックポイントであるにもかかわらず、トラックポイントとタッチパッドの両方を載せるという最悪の選択をした。また、ThinkPadから赤いポッチを取り除いてしまったモデルすらある。

さらにThinkPadにあの打鍵感の良いキーボードではなく、普通のアイソレーションキーボードを採用してしまった。もはやThinkPadたる所以は全く見当たらない。

それでも、私はThinkPadはThinkPadだと思っていた。e440を買う時はhpとどちらにしようか悩んだのだが、イーサネットポートがあるということでThinkPadにした。もう、それほどこだわっていなかった。それでも購入を決めた時には、LenovoがThinkとIdea2つの製品を展開するのは、ThinkはIBMのテクノロジーを継承したものであり、同メーカーの別物だろうと思ったからだ。

キーボードが簡単に壊れるなんて信じられない気持ちだ。そんなのはThinkPadではない。ThinkPadはもはやただの中華製品だと言うのか。安かろう悪かろうだと言うのか。

あのThinkPadが…

サポート

そんなわけでサポートに連絡したのだが、まぁこれがまたひと騒動だった。保証書が見つからないのだ。

購入証明書は見つけたし、リサイクルマークもあったが、保証書などThinkPad同梱の書類がない。3時間探して、諦めた。保証自体を諦めようかと思ったが、ダメ元で問い合わせた。

だが、そのサポートがひどいという口コミがネットに多い。曰く、そっけなく対応される、有償修理になるとキャンセルするとキャンセル料を取られる、送料自己負担…などなど。うーむ、と思ってしまうが、まぁ、いまのままでは不安だ。そもそも、今回の故障には関係ないとはいえ、裏は開けているし、システムも入れ替えている。

とにかくダメ元だ、と電話。

音声ガイダンスにつながるが、なかなか面倒な手順になる。そしてウェブを案内されるので、面倒になってウェブにしようと思ったが、Internet Explorerでしか利用できない、かなり細かな情報を添えての登録が必要、そして製品番号とシリアルナンバーが必要となるが、それを調べる方法が載っていない…と結構ひどい。これはサポート期待できないぞ…という状態だった。

結局もう一度電話。ガイダンスに従っていくと転送されるのだが、転送されてから出るまでに2分くらい…ちょっと長いのではないか。

ただ、つながった後は特に問題なかった。

  • 対応は非常に丁寧で分かりやすい。
  • いずれにせよ製品番号とシリアルナンバーは聞かれる。だが、電話なので確認できる。
  • それで向こうが購入情報を管理するので、保証書についてなどは問われなかった。
  • 開けてある、システム違うについては説明したが、問題ないということ。ただし、場所からいってないとは思うが内部で部品が折れているなどそれに起因するものがあると優勝となること、動作確認ができなくなることを伝えられた。しかし、それはもちろん問題ない
  • 有償修理の場合は連絡するとのこと。そこでキャンセルするとキャンセル料は発生しない、ただし見積もりを出すとキャンセル料がかかる、ということ
  • 配送はLenovoが手配する。梱包も用意するので、そのまま渡してくれれば良いとのこと
  • 「ParisのP」など、間違えないようにするための工夫はIBM時代を継承。交換が持てる。

サポート体制の品質は悪い。が、サポートの質自体は良好、という印象だった。もしかしたら当たりだったのかもしれないが。

だが、保証したくないので、ちょっとした理由で拒否する(それこそ開けてなくてLinuxをインストールしただけでもハードウェア故障を拒否するケースは多い)のが当たり前の中、非常に助かった。

まぁ、トータルではなんとも言えない…